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サウンドその14:「何故、私はマーチンにあまり興味が湧かないのか…」



ギターのある生活 これは、ギター好きの自分にとって、「我ながら不思議」としか言いようがないのですが、何故かこれまでに「マーチンが欲しい!」なんて、思ったことがありません。友人に持っていたやつが一人いたような記憶もあるのですが、それほどそのマーチンに惹かれた記憶もありません。別にマーチンに興味がないと言っても、あのギター史を開いた名機マーチンには敬意を表するとともに、その音にはウットリとしてしまいます。しかし、これまでにアコギだけでもオカーチャンに怒られるほど所有していた(いる…)私が、マーチンは持っていません。親戚筋のシグマは持っていますけど(日本で作られた寺田シグマ)、byマーチンに興味があったわけではなく寺田楽器の作った000モデルに興味があったということです。

何故でしょうか? 一応明確に答えられる理由は、生まれて初めて買ったモーリスのW100(?)にズッと音的には満足していることと、嗜好している音楽がかなり泥臭いブルースに変わっていったからでしょう(多分)。私の好きなブルースにはあのマーチンの「煌びやかに押し寄せてくる倍音」なんてものは要りません。アタックが効いて適度に残響が残るような音がシックリきます。ブギですね。別にどうでもいいことですが、マーチンが高くて買えない(確かに高い)ことが理由ではありません(ムキになるなよ…)。ギブソンのカスタムモデルや、個人ルシアー製作のギター(ちょっとお高い)も持っていますから。かつて、金のない学生時代に、どうしても欲しかったグレッチをン十回ローンで手に入れました。欲しければ、オカーチャンに怒られようが、毎日納豆ご飯になろうが、そのギターを手に入れます(ギターに限りませんけど…)。

ところが、マーチンは持ったことがないし、買おうとしたことは殆どありません。その音のすばらしさは楽器店で他の人が試奏している音や、ライブで聞いています。まあ、確かに安くはないギターですが、死んでも手の届かないものでも無し、ギター好きなら一本くらいは持っていても良さそうな気もしますが…。なにか、マーチンに恨みでもあるのかって? ありません。何故か興味が湧かないのです。所有欲が湧いてこないといった方が早いのか…。

まあ、確かに素晴らしいギターとは言っても、そのギターに見合った価格で手に入れたいわけですが、どうにもマーチンはそれを越えています。「それみろ、高いから買えないんじゃないか」と言われても、それだけのお金を払ってまで欲しいものではないということです。もっとハッキリと言えば、過大評価されていると感じているからです。歴史的に見れば戦前(プリウォー)のモデルがとんでもない値段でコレクターに取引されているということはどの世界でもあり得ますから、それはどうでもいいことです(とはいえ桁が違う。ン千万、億もあるという噂…)。比較的若い時代(戦後)の50年代、60年代、70年代のマーチンでも百万越えは珍しくありません。これって、ギターの価格でしょうか? バブルもいいところです。そこに対する反感のようなものがあることは認めます。

えー、多くのマーチンファンの方の非難を覚悟で言えば、1960・1970年代に入っての、「マーチンがギター用の良質な素材を独占していた時代」が終わってからのマーチンのギターが、それほどズ抜けて良い音がするとは思えません。良い個体もあるのでしょうけど、けっこう、個体差が大きいように思えます。どのような世界でも「技術は陳腐化」します。つまり、かつては特別だったものが普通のものになってしまうのです。マーチンのギター作りに関わる、ブレーシングやライニング、組み付けの技術が素晴らしいものでも、それはとっくの昔に「陳腐化」しています。マーチンの優位性が決定的に弱くなったのは1980年代に入って、それ以降、オベーション、タコマやテイラー、コリングス、ラリビー、メイトン(最初はマトンと読んでしまった…)にコールクラーク等々が人気を博し、アコースティックギターがエレキギターに押されて、ギブソンが製造を中断し、マーチンも人員整理に苦労していた時代だと思います。

とはいえ、マーチンのブランド力は燦然と輝き続けています。一度、マーチンD-28ですけど、リーズナブルな値段で、そこそこのコンディションのものに出会い、少し興味を持って、店員さんに弾いてもらったのですが(私、楽器店であまり、自分で試奏しません。下手がバれるのが恥ずかしくて…。変…?)、誠に雑な感想ながら、モーリスの音とあまり変わらないと感じたものですから、パスしました。それほど良い個体ではなかったのかもしれませんけど。とにかく、「どうしても欲しい」と思うほどではないというのが私にとっての事実なのです。ある時、マーチンのメンテナンスが得意なリペアショップで唐突に、「マーチンの音って、そんなに良いのかね…」と聞いたら、そこの社長は戸惑うというより、嫌な顔をしていました。

まあ、10万円で買える音があります。楽器は出した値段を裏切らないものと考えています。で、20万、30万、さらには100万のギターがあって、その音はどこまで価格に見合った音として至上になっていくのでしょうか? マーチンではありませんがオールドのニューヨーカーを持っています(少々お高い)。ノーブランドでアメリカのルシアー製作のものですけど、私にはこれ以上の音は必要ありません。宮本武蔵の言葉を借りれば「マーチンは尊べど、それ(ブランドの力)を頼まず」ってなとこでしょうか。2000年以降、日本製のギターたちは、かつてのマーチンやギブソンをすでに凌駕しています。くどいようですが、私は「アンチ・マーチン」ではありません。もしかしたら、何かの縁で手に入れるかも…、です。最後に、重ねて多くのマーチンファンの方に、もしこの記事で不愉快になられましたら、お詫びします。個人的な意見ですのでご容赦。

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