木の音 人の技 トップタイトル

サウンドその22:「そろそろ曲をコピーするならオススメ(2) Anji」



ギターのある生活 "Anji"ときいて、すぐに分かる人は私と同年代か上の人かな…。ローリング・ストーンズの「悲しみのアンジ」を思い浮かべる方はもっと若い世代か…。こちらは原曲のタイトルが"Angie"です。"Anji"はポール・サイモンのギター「インストゥルメンタル(Instrumental):楽器のみでの演奏」で有名な曲。で・す・が、この"Anji"という曲の表記にはいくつかあって、"Angi"とも、なんと"Angie"なんて、「悲しみのアンジ」と同じ原題の表記があります。結論から言えば、ポール・サイモンは「どれでもいい」ってな感じです。この辺りは、日本の出版社などでも入り混じって、多少の混乱があったようです。音楽業界は"Anji"。なのでここでは「アンジー」としましょう。WEBでの表記もこの長音を付けているのが多いので。

この曲は、サイモン&ガーファンクルが1966年に発表したセカンド・アルバム「サウンド・オブ・サイレンス(Sounds of Silence)」に収録されています。「サウンド・オブ・サイレンス」「木の葉は緑(Leaves That Are Green)」「4月になれば彼女は (April Come She Will)」「アイ・アム・ア・ロック (I Am a Rock)」などの名曲に隠れてしまいそうな「アンジー」ですが、ギターをやる者にとっては「神業」のギター演奏なのです。1960年代と言えばあの「ピーター・ポール&マリー(Peter Paul and Mary)」もいまして、あのスリーフィンガー奏法も「神業」だったのですが(私はリアルタイム世代ではありません)、このスリーフィンガー奏法はその後の様々なギタープレイに影響を与えますけど、この時点では基本的にバンジョーでの奏法をギターに取り入れた伴奏の域を出なかったと思います。しかしながら…。

ポール・サイモンの「アンジー」はそれどころの話ではなかったのです。ギター一本だけで曲を聴かせる…! 今では当たり前のことですが、当時としては「トンデモナイ」テクニックだったのです。当時、ギターを抱えている者で、この曲にチャレンジした人はどれくらいいたでしょうね。タブ譜なんてものもおそらくない時代に、俗にいう「耳コピ(聴いてコピーする)」で苦労されたのでしょう。その当時、ギター・インストゥルメンタルなんてやる人は殆どいなくて、それを志向する人はまず殆どがこの曲を練習していたのではないでしょうか。おそらくこの曲をポール・サイモンのオリジナルと思っている方が多いかも、ですが、作曲はデイビー・グレアム(Davy Graham)で、「アンジー」という名前はポール・サイモンが付けたようです。

と、前置きが長くなってしまいましたが、前回、まず「アリスのレストラン」をコピー曲としてお勧めしましたが、もう一丁、この「アンジー」をコピー曲としてお勧めします。難しさから言ったら、こちらの方がかなりの難易度でしょう。しかし、使っている音はそれほど複雑でもありませんし、フレットをそれほど移動しまくるような曲でもありません。ところが、難しいのです。それはなぜか? この曲には、「ギター演奏に必要なテクニックが一通り必要になる」からです。ということは「この曲にはギター演奏に必要なテクニックが一通り揃っている」とも言えます。それは、ソロギターを演奏する上での「ベース音とメロディー音との連携」であり、「ハンマリング(フレットを押さえている指で弦を叩いて2音を出す)」「プリング(フレットを押さえている指で弦を引っ掻くようにして2音を出す)」「スライド(フレットを移動して音を変化させる)」「チョーキング(弦を抑えたまま押し上げて音を変化させる)」「ベース音のミュート(消音)」などなど…。ちなみに、チョーキングは和製英語で、外人には「ベンディング(bending)」で通じます。ちなみに「ハンマリング・プリング」はこれで2音以上出したり、両方を複合してやる場合もあります。

各テクニックに関しては教則本などに詳しく書いてありますから、それを参考にしてください。個々のテクニック自体はそれほど難しいものではありません。しかし、「アンジー」にはそれがテンコ盛りで次から次に出てくるのです。最初は、ハンマリングやプリングで上手く音が出ず、自分が何弾いてんだか分かんない時期が続くかもしれませんが、決まり始めれば「指先の快感」がシコタマ味わえます。で、運指というか、「指使い」の難しさを工夫で乗り切る楽しさも味わえます。6弦のベース音を弾くのに、薬指を飛ばすか、小指で行くか…、とか、セーハ(ブリッジ)でいくか、親指で逆から行くか(ウェスタン・グリップ)…。これは人によって違うでしょう。ポール・サイモンと同じくこの「アンジー」をカバーしているバート・ヤンシュ(Bert Jansch)の弾き方と、ポール・サイモンのバージョンでは、両者の弾き方が微妙に違いますからね。まあ、コピーされているのは圧倒的にポール・サイモンのバージョンの方でしょうけど。

つまり、これが弾けるようになれば、ギターのテクニックは一応ほぼすべてマスターできるという事です。「アリスのレストラン」に比べたら少々ハードルが高いかもしれませんが、地道に繰り返し繰り返し練習すれば、必ず弾けるようになります(多分)。私、以前は出だしだけ覚えて、それでとりあえず弾けた気持ちでいた「イントロ野郎(気持ちいいところだけ弾いて終わり…)」だったのですが、今回は一曲通してマスターしてやろうと思っています。で、とりあえず出だしを弾いてみたのですが「指が上手く動かん…」。やっぱりね…。以前はこの出だしを弾けていたのですが、今は全くダメ…。何もかも忘れています。ホント、一から出直しですわ。でも、これを完全マスターできれば、カッコいいですよ。誰かに「ちょっと、ギター弾いてみてよ」って言われて、この「アンジー」をバシッと決めれば…、って、相手も「アンジー」を必死でマスターした口だったら、「ああ、アンジーね」なんて軽く言われたりして…。



ギターのある生活へ




■これからギターを始められる方のご参考にでもなれば。
これからギターを始める方に バナー

アクセス数ベスト5コンテンツ
★とりあえず色々 「ギターの素材 合板と単板の違い」
★とりあえず色々 「ブリッジの浮きと剥がれについて」
★うちのギターたち
★とりあえず色々 「ギターを弾くなら、一度はブルースを」
★とりあえず色々 「アコースティックギターの弦高調整」


■サイトポリシー ■プロフィール ■お問い合わせ
ページトップへ戻る

Design by Megapx / Template by s-hoshino.com
Copyright(C) Ureagnak All Rights Reserved.