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サウンドその30:「不思議なギターショップ… の夢を見ました」



ギターのある生活 「夢(夜、寝ている時に見る夢)」というものは誠に不思議なもので、占いに使われたり、予知夢なんてのがあったり、夢診断なんていって、その人の精神状態を測る現象として使われることもあるようですが、夢を見る当の本人も、「何でこんな夢を見るのか…」分からないような夢が多々あります。妙にリアルな、まるでそれまで忘れていたことを思い出したような夢もあります。江戸川乱歩の「現世は夢 夜の夢こそまこと」は良く知られている言葉だと思いますが、人の創作活動に、この夢はかなり影響を与えているのではないかと考えます。「現世(うつしよ)」があっての「夢」なのか、「夢」あっての「現世」なのか、それは分かりませんが、人の精神活動の中で日常的に一番、不思議に感じさせてくれるのが、この「夢」だと思います。

って、ギターに関するサイトに似合わないことを書いているような気がしますが、ギター好きの皆様、そのギターに関する夢を見たことはありませんでしょうか? あると思います。スターになってステージでギターをかき鳴らしている夢とか、憧れのギターを手にする夢とか、ギターショップを経営する夢とか、ルシアーになる夢とか、まあ、色々でしょう。私もご多分に漏れず、ギター好きの一人ですから、ギターに関する夢を見たことはあります。で、最近、何やら不思議な夢を見ました。このサイトを運営しているからでしょうか。まさに「木の音 人の技」が絡んでくるような夢です。ですから、「楽屋落ち」の様なネタの話になるかもしれません。いえ、なるでしょうね。とはいえ、だからこそ、駄文であろうとも書いてみたくなりました。面白いかどうかは分かりませんし、「いかにも…」って内容であることは否めません。ですが、どうあれ、見た夢のままに、書いてみます。

私は田舎育ちで、水車や牛小屋なんてのが日常の風景であった農村というか、里山の中で育ちました。そういう景色を覚えている最後の方の世代なのかも…。夢に現れた景色はそうしたまさに里山の景色です。その中に不釣り合いなギターショップがあるのです。ギター好きな方はそうでしょうけど、用がなくても店頭に並んだギターを見ると、ショップに寄ってみることがよくあると思います。で、夢の中ですけど、その里山の中にポツンとあるギターショップに入ってみました。店内は、あの見慣れた、所狭しとギターが壁面までビッシリ並べられた満艦飾のショップの景色ではなく、なんというか、大きな長テーブルに白い布が敷かれて、その上に色々な「材」で作ったギターが無造作に並べられ、その横にその「材」の名を書いた札が立ててあるという、シンプルと言うか殺風景な雰囲気です。例えていうなら、盆栽が陳列された品評会の会場(写真でしか見たことが無いですけど)のような景色です。

そこに並べられたギターの材は、様々な杢目とナチュラルな色で、ギターの脇の札に書かれた「材」の名前も、ブナとかナラ、カキ、スギ、マツ、カエデなど、様々です。カキと書かれた「材」のギターは、ご存知の方も多いと思いますが、ダイナミックな黒い杢が派手にうねっています。ナラはマホガニーの様な感じですかね。その中に「糸スギ」と書かれた「材」のギターがあって、木の枝の痕がビッシリと入っている、見たことのないような杢目。夢の中で、「糸スギって、ギターの材料になるような木だったっけ…」なんて考えながら、あのゴッホの絵を思い浮かべ、その杢目を眺めていました。店内にはパラパラとお客さんの(ような)姿があります。私、その「材」が「糸スギ」と書かれたギターが気になって、詳しいことを聞こうと店員の姿を探しました。すると、すぐ横に椅子があって、そこに座っているのが店員のようです(夢の中ですから、そういうことになっているのです)。真面目腐った顔で黙って座っています。現実の楽器店店員の雰囲気とはかなり違います。なんとなく取っつき難い雰囲気の店員に尋ねました。「このギター、いくらくらいするんですか」。そうなんです、どのギターにも「材」は書いてあるのに、値札が無いのです。

店員が仏頂面で答えます。「3,000円…」。私、あまりの安さにびっくり「え、3,000、円…」。すると店員がまた答えます。「いや、60,000円だったかな」。店員、何やら考え込んでいるような表情。私、そのテキトーな対応にちょっとカチンと来ます。が、そのギターに興味があるので試奏してみようと思い、ギターを手に取ろうとすると、なんと、その時に初めて気が付いたのですが、どのギターにも「弦」が張られていないのです。私、戸惑って店員にそれを尋ねると、店員曰く「弦は買ったら張ってみてくださいよ。木の音は、叩いてみれば分かりますから」。その言葉に、私、アングリ…。「ちょっと待ってよ、ギター叩いて音出してどうすんの。それに、糸スギってだけじゃ分からないよ。サイドやバックの材は何なの?」と、言っているうちにムカつき始める私。店員、戸惑ったような顔で答えます。「叩けば木の音は分かるでしょ。サイドやバックって言われても、これ、同じ木から彫り出したものだから」。私、その答えにビックリ。「同じ木から彫り出したって、それじゃこれって、究極の単板ワンピースボディ…」。

ハイ、まるで、あの夏目漱石の「夢十夜」の「第六夜」、「運慶」のような趣です。出だしは「こんな夢を見た」でしょうか。木の中からギターを彫り出す…。考えてみれば、確かに、ギターとはそういうものなのです。運慶が仁王を木の中から「木屑を払うが如くに彫り出す」ように。仁王像もギターも既に、木の中に「埋まっている」のです。それを彫り出すのが「人の技」。ハイ「木の音 人の技」という、サイトのタイトルをなぞったようなお手盛りの話となりました。だって、見たんだもん、こんな夢を…。まあ、前述の江戸川乱歩風に言えば、「現(うつつ)が見せた夜の夢」ってことなんでしょう。しかし、夢とは言え「同じ木から彫り出す単板ワンピースのギター」なんてまさに究極の逸品です。現実にはあり得ないでしょうが。

ちなみに、夢ですから漫画のように「オチ」がある訳ではありませんが、夢の最後はその店員と私とのこんなやり取りでした。「ハカランダやキューバンマホガニーでそんなギターを彫り出したら、どんな凄い音がするんだろう…」。その言葉に店員が怪訝そうな顔で答えます。「ハカランダ…? キューバンマホガニー…? なんですか、それ…。そんな木って、無いですよ」。だ、そうです。

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