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サウンドその34:「遠藤賢司 カレーライス ふと、思い出すことなど…」



ギターのある生活 過日、遠藤賢司の訃報に触れて、ふと思い出すことなどがありました。私、大学入学で東京に出てくるまでは、瀬戸内海沿岸の某地方都市で生まれ育ったのですけど、けっこうフォークソングが盛んな時期で、周りには吉田拓郎ファンがたくさんいた記憶があります。私はというと、何故かフォークソングなるものには興味が無く、ラジオから聞こえてくる、サイモン&ガーファンクルやシルヴィ・ヴァルタン、ショッキング・ブルー、古いシュプリームス、ディーン・マーチンなどなどを好んで聞き、正直、フォークソング(日本の)を嫌っていたような記憶があります。ビートルズもローリングストーンズも、私の世代にしては全くと言っていいほど興味を持たず、とにかく美しいボーカルの曲に聞き惚れていました。まあ、ド田舎の貧乏小倅にしては生意気な好みだったと思いますが、ある意味、周りからはちょっと浮いたような音楽の嗜好を持っていたような…。音源は安物のラジオ。

その頃は、歌いながらギター(アコースティック)をストロークでかき鳴らすジャカジャカとした音があまり好きではなかったのです。まあ、なまじ日本語で歌われるからその意味性の方に耳が行って、ちょっと好きになれなかったのかも。いずれにしても、生意気なことだとは思いますけど…。ですが、1972年(昭和47年)に、ラジオから聞こえてきた遠藤賢司の「カレーライス」には「なんじゃこりゃ…」みたいな違和感というか、驚きの様なものを感じた記憶があります。歌っているのやら呟いているのやら…。「猫がカレーライス、喰うんかのう…(方言)」なんて、下らないことを考えながら、その曲を口ずさんでいました。ギターの演奏などは申し訳程度…(後日、その演奏がけっこうハイレベルなプレイであったことを知って、ビックリ)。フォークソング、というより、面白い「独り言」の様なイメージで、それほど深い意味もなく、口ずさんでいました。遠藤賢司に関してはそれ以外、知りません。「不滅の男」なんて曲は全く知りませんでした。「カレーライス」だけ。

で、その頃はギター(アコースティック)なんて楽器に興味はありませんでしたが、周りの者がけっこう持っていたので、本音を言うと秘かに憧れていました。友人が買ってもらったばかりのギター(確かヤマハ)を自慢げに披露した時には、正直、羨ましかった。まあ、とりあえずのことで言えば、ギターなんてもの、とても買ってもらえるような状況には無かったということです。その時の憧れが強く残っていたのですかね、大学に受かって、東京に出てきた時、その当時の新聞配達の一か月分のバイト代どころではないギターを衝動的に買ってしまいましたが。それ以来、アコースティックギターに限らず、エレキギター、エレキベースとあれこれ、金もないのにローンで買ってしまいました。その音楽的な嗜好は、ロックを経て、ブルースへと時代を逆流していくのですが、以前と比べると真逆の様な嗜好に変わってしまいました。ギターが下手なのは未だにどうにもなりませんけど…。

と、そんな話は置いといて、遠藤賢司の「カレーライス」という曲は、たまに思い出す程度でしたが、頭の中に妙に残っている歌(呟き?)でした。で、改めてその歌詞を見てみると、少し間違って覚えていたことに気付きましたが、要は「みんな好きだよ カレーライスが」ってところが一番頭に残っているわけで、あとはどうでもよろしい、なんて思って歌詞を最後まで見ていたら「誰かがお腹を切っちゃった」なる言葉がありました。「え…」です。続いて「うーん とっても痛いだろうにねえ」。で、「カレーライス」、です。「なんだこりゃ?」って調べたら、これってあの「三島由紀夫」の事件のことだそうで…。あの事件は1970年(昭和45年)です。「社会派」的なフォークがあまり好きではなかったのですけど、遠藤賢司の「カレーライス」にそんな歌詞が混ざっていたなんて、知りませんでした(ちゃんと聞いてなかった…)。少なからずの驚きを覚えましたが、よく考えてみれば、アラカンオヤジにとっては、リアルな記憶にはあるけど昔々のことです。遠藤賢司の「カレーライス」と三島由紀夫の事件が、今更、特に結びつくことはありません。

あの時代、「カレーライス」は、とんでもなくモダンなご馳走でした。小学生の時など、今晩はカレーライスなんて母親から言われると、朝から一日楽しみでした。食べ過ぎておなかが苦しくなるほどお替わりをしましたが、そういえば、肉って入っていたのかな…。たまの贅沢です。今、この年になって、どんなカレーを食べても、あの子供の頃に食べたカレーライスの美味しさを感じることはありません。遠藤賢司から話が逸れてしまいましたが、この曲のタイトルが「オムライス」か「ハンバーグ」だったら、私の記憶に残る一節になっていたでしょうか。なんて、下らないことを考えてしまいます。貧乏が当たり前の毎日で、「カレーライス」はとにかくハッピーな記憶として残っています。遠藤賢司の「呟く」ような歌い方と、何故かその郷愁のような感覚がマッチして、今、改めて頭の中にあの歌が流れてきます。

なんか、意味なしオチなしの文章を思わず書いてしまいましたが、ちなみに、今の時代、ユーチューブなんて便利なものがあって、遠藤賢司の「カレーライス」を再び、ライブで聞くことができます。それで、前述したようにそのギタープレイを見て、ビックリしました。え…、あんなふうに弾いてたの。うへ、上手い。で、「僕はうんと辛いのが好き カレーライス」。それが彼の、あの曲の中での唯一のメッセージなのかな。アラカンオヤジも、まあ、言いたいこと言いまくって好きに生きてきた訳ですけど、「私は辛いのが苦手 カレーライス」。

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