サウンドその4:「えっ…、今の曲、俺が弾いてるの… 俺のギターから出てる音…」


■ちなみに、「スカボローフェア(Scarborough Fair)」は「スカーバラの市」という意味でイギリスの伝統的なバラードだそうです。私は長くポールサイモンのオリジナル曲だと思っていました(出典:Wikipedia)。この詩は時代とともに吟遊詩人が歌い継いで変遷し、サイモン&ガーファンクルがヒットさせたのは19世紀末のバージョンだそうです。あの歌詞の中にある「パセリ、セージ、ローズマリー、&タイム(Parsley, sage, rosemary and thyme)」というのはスパイスの名前を並べているわけですけど、私の拙い英語力でも何となく意味の分かる歌詞ですけど、このスパイスのフレーズになんの意味が込められているのかは分かりませんでした。何かのお呪いでしょうかね?
■それはともかく、まずこの「スカボローフェア」に挑戦です。私が自分のギターで初めて挑戦する曲。あの美しい出だしのメロディーを弾き出せるでしょうか。まずはカポを7フレットに(カポはギターのオマケでもらいました)。カポする意味はまだ分からないのですが、本にそう書いてあります。自作のタブ譜を見ると、左手のコードフォームは簡単そう。しかし、右手の方はスリーフィンガーですから、当時の私にとっては神業。まずは超ゆっくりで、一音一音を出すことに挑戦します。左手との連携が悪く、ビビンバクッパで弾きますから、ビョンビョンと指やフレットに弦が触れてしまい、美しい音どころかビビリ音ばかりです。右手が攣りそうになるのを耐えて、順番通りに指を動かして弦を弾いていきます。最初はメロディーに聞こえません。が、そのうちに何となく曲っぽく聞こえてき始めます。
■で、一瞬のまぐれか気の迷いか! 音がちゃんと出てそれがつながりました。「えっ…」、単純に驚きました。レコードで聞くあの妙なるメロディーに近い音で聞こえたのです。「今の、自分のギターから、出た音…」。誠に美しい音が、生でギターから弾き出されたのです。こうなるともう虚仮の一念。何度も何度も出だしの二つのコードを行ったり来たりで弦をつま弾きます。何とかそれなりに弾けるようになりました。あの、自分が上手いなんて当然思えるわけないのですが、事実自分が弾いたギターの音に驚いたというか、酔ってしまいました。これほどに美しい音が、このギターから…! そこに聞こえるのは最初の二つのコードとはいえ、紛れもなくあの「スカボローフェア」の出だしのメロディーです。感動なんてものではありません。この瞬間に、ギターとの長いお付き合いが始まりました(結果的に音楽的才能は殆ど無かったようですが…)。
■余談ですが、ポール・サイモンのあの美しいメロディーはギルドのFモデル、ドレッドノート・タイプではないディープボディーのヒョウタン型ギターから醸し出されていると思っていました。ですから、あのギルドのFモデルは長い間私の憧れのギターでした。が、どうも実際にはドレッドノート・タイプであるDモデルをメインで使っていたとか。真偽のほどは分かりませんが、やはりいまだにギルドのFモデルは私の憧れです。しかし、個体数も少なく、持病の多いギターなので、未だに満足のいくものに出会えない…(Fモデルは高すぎるし…)。ハイ、余談中の余談でした。
ギターのある生活へ
■これからギターを始められる方のご参考にでもなれば。

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