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サウンドその40:「音を言葉で表現するのは難しいのですが… あえて…(2)」



ギターのある生活 さて、では、ギターの材の組み合わせによる「音色」について言葉で表現しようとする暴挙、前回の(1)に続いて、その第二弾です。あくまでも挑戦なので、「俺のギターとはちょっと感じが違う」という反論はOKです。ただ、スルーしていただければありがたく思います。これは私が持っているギターを対象にしていますので、材の組み合わせが似ていても当然ながら「個体差」というものは存在しますので、絶対は自分自身でも当然の事、あり得ないと思っています。という「保険」を打ったところで、ハイ、行きます。

<トップ:シダー単板 サイド&バック:マホガニー単板>
これは「うちのギターたち」の中の「YAMAHA プロトL3…(?)」のスペックです。このギターはYAMAHAのロゴが入っているのですが、どうにもその素性が追いきれないギターです。で、一応「ヤマハ社内のプレゼンテーション用」に作られたギターであるという結論に落ち着かせていますけど、絶対とは言い切れません。で、その素材に関してはあくまでも自分が調べた範囲内の事と、推論(それなりに合理的に根拠を持って)から、このギターの材は上記の通り、トップがシダーでサイド&バックがマホガニーの単板であろうと考えています。まあ、最大の根拠はその「音色」です。私は長く「トップは単板のスプルースにサイド&バックはローズウッド」がギターの黄金律であると信じていましたが、それが思い込みであることを知らせてくれた「トドメ」のギターです。音の一つ一つの輪郭がハッキリとしていて、アタックの良く効いた、それでいて適度なサスティンが甘やかな響き(トップがシダーのためか…)と相まって、なんとも心地の良い弾んだような音を響かせてくれます。マホガニーは材の中で一番個体差が大きいように思いますが、その歯切れの良さは変わらないでしょう。私はストロークをあまりやりませんが、ギブソンのギターなどでマホガニーのサイド&バックのギターがロック・プレイヤーに好まれている理由が分かります。まさにストロークプレイでのその歯切れの良さ故でしょう。このギター自体はストロークプレイ向きではありませんね。ちょっと、歯切れがイマイチなのは、プロト故の事か…。フィンガーピッキング向けに設計されたのかな…(勝手な憶測)。

<トップ:アディロンダックスプルース単板 サイド&バック:ハカランダ単板>
このギターはアメリカのルシアーが製作したものだそうですけど、いつ頃の時代に作られたのか不明です。1900年辺りのマーチンをコピーしたものらしいのですが、前々オーナーのアメリカ人もその程度のことしか分からないようです。日本では私が2人目のオーナーです。前オーナーはこれをアメリカの個人販売で手に入れたようですが、「音の良さ」より、そのあまりの「作りの雑さ」が不満で手放したようですけど、確かに少々雑なところはありますけど、これは「経年劣化」による材の歪みや縮み、退色、接合部のズレで、作られたころはそこそこの仕上がりだったと思います。ロゼッタにヘリンボーンが使われていることから、もしかしたら「プリ・ウォー」かも…。といった希望的な事は置いといて、まずエクスキューズですけど、トップの材をアディロンダックと考えているのですが、どうもやはりこれはジャーマンスプルースではなかろうかと思い始めています。まあ、どちらも一級の素材なのでそれほど違わないのですが、主な理由としてはその色と木目です。アディロンダックの材をいくつか画像ではあるのですけど、眺めているとやはり少し赤味が弱いのと、木目の積み方が微妙に詰まっている(アディロンダックは木目間が広い。3mm以上位)ので…。で、肝心の音ですけど、乱暴に言えばとにかく「とんでもない」音です(乱暴というより、テキトーすぎる…)。0タイプ(ニューヨーカー)のボディのどこからこんな大音量が響いてくるのか。いきなりこのギターを弾き始めた時、家人がその音にビックリして振り返ったくらいです。もしこのギターがプリ・ウォー並みの古い時期に作られたのなら、その材はもう今の時代には手に入らないくらい贅沢なもので作られたのかも。バックは「追い柾目(真ん中に柾目が流れて、両サイドが木目)」のハカランダで、某ギターメーカーの職人の方の話では、このような材はもう手に入らないそうです。私がこれまでに生音で聞いたギターの音の中で、これほどに奥行きと広がりのある音色は初めてです。これ以上のギターの音があるのなら聞いてみたい、と思わせる音です。見た目は悪いですが、古い時代の材が醸してくれる、ハカランダの甘い香りのような音です。

<トップ:アカエゾマツ単板 サイド&バック:ハカランダ単板>
これは先の<トップ:アディロンダックスプルース単板 サイド&バック:ハカランダ単板>と殆ど同じ音です。トップがアカエゾマツですが、特にそれ故の音の違いは感じませんけど、あえて言えば、低音部がドレッドノートタイプのボディにしては0タイプのボディのギターよりも、少しばかり「硬い」感じがします。まあ、気持ちってくらいですけど。これは比較的色々調べたので材に関してはそこそこ自信があります。サイド&バックは、完全ではありませんけど、少々流れた「準柾目?」です。叩くとカンカンと硬い音がしますが、0タイプより若干その材に厚みを感じる音です。硬く感じるのはそのためでしょうか。0フレットの仕様ですので、その辺りも音に「芯」を作ってくれているのかもしれません。若干いわゆる「腹ボテ」を起こしていますが、逆にそれが音にふくよかさをもたらしてくれているように感じます。ギター製作者やルシアーの方の中に、「ギターのトップは膨らむのが当たり前で、膨らまないのは強度がありすぎて良い音の邪魔になる」と言われる方もいらっしゃいます。ギターは音が全て。バックのアーチが心地良い音を増幅してくれているようです。

<トップ:ホンジュラスマホガニー単板 サイド&バック:ココボロ単板>
このギターが私の手に届いた時は「壊れている状態」で、弾くことのできないギターでした。しかし、応急処置で何とか少しばかり音を出してみて、その音の面白さに興味を持ち、「いずれ」と思っていた修理を「すぐさま」行い、長期入院と少々懐の痛い思いをしてこのギター本来の音を取り戻しました。もともとはホンジュラスマホガニーとココボロという材、およびその組み合わせの面白さで「とりあえず」手に入れたギターだったのですが、長期入院から帰ってきたそのギターから響いてきた音は、これまでに聞いたことのあるどのギターとも違う、非常に個性的な音でした。トップのホンジュラスマホガニーは、ハッキリとした木目の出にくいマホガニーにしてはホログラフのように柾目の「リボン(立体感があるようなまっすぐの木目)」が浮いています。サウンドホールは断ち切りで、そこに見えるのは木の地の「赤味」が強い色で、材としては一級品でしょう。しかし、トップが3mm程度あり、けっこう厚い。バックのココボロは「追い柾目」で赤というよりオレンジに近いきれいな色。単板の宿命なのか、それまでに4年近く、ギターの知識がない「転売屋」に転がされていたので、ジャガイモのように不規則な歪みが出ています。これは、バックの剥がれを直したら、自然と少し治ってきました。自然の木というのはそういうものなのでしょう。このギターの音の特徴を一言でいえば「澄んだ」音です。金属的な感じともいえるのですが、サスティンも十分で、ハカランダよりややレンジは狭く感じられるものの、その澄んだ響きを部屋中に広げてくれます。音の輪郭もはっきりしており、ギター紹介のところでも書きましたが、ラグタイムなんかの音のメリハリを作るような弾き方があっているような感じです。かなり個性的な響きで、あのギターのような、って比較ができませんね。似たような感じの音を無理矢理言えと言われれば…、ギルドのF…、かな。

と、(1)(2)に八種類の「材の組み合わせ」を持つギターの音を「文字で表現」しようとチャレンジしましたが、まあ、やはり難しいですね。十分に表現できたとは思っていませんが、それなりに、です。つまりはギターたちの「材」から響いてくる音が様々に楽しませてくれるという事です。もちろん「材」には当たり外れがあるようですが、今のところ、外れはありません。腕はこれからの問題として、とにかく、ギターという楽器の音を堪能しています。そこにあるのはまさに「木の音」、そして、それを引き出す「人の技」です。

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