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サウンドその49:「あのバッハは、チェロにギターの姿を予見していたのでは…」



ギターのある生活 これは私の勝手な想い(妄想)です。ギターのサイトにあの「音楽の父」と呼ばれるバッハ(大バッハとも称されます)の名前を掲げるなど、違和感この上ないと自分でも思います。でも、「G線上のアリア」は、TVCFでも使われていますが、エレキギターでけっこうアレンジされて弾かれている曲なのです。と、まあそれは置いといて、チェロ(セロとも表記されますが)という楽器は、バイオリン属の弦楽器で擦(さつ)弦楽器(弦を弓で擦って音を出す)です。バイオリン属とはこのチェロを含め、バイオリン、ビオラ、コントラバスの4種です。

バイオリンとビオラは顎と肩で支えて弾きますが、チェロとコントラバスはエンドピンで床に立てて弾きます。チェロは足で挟んで固定させます。コントラバスも一緒ですが、ウッドベースとして使用されるときは立って演奏します。余談ですが「ウッドベース」は和製英語で要はジャズで使おうとコントラバスです。クラシックではチェロと一緒の擦弦楽器ですが、ジャズなんかで使う時は指で弾く撥(はつ)弦楽器となります。しかし、チェロを指で弾くのは見たことありませんね。ピチカートは奏法のひとつで、チェロの「弾き方」ではありません。

チェロの、座って両足に挟み、床にあの独特の長いエンドピンを立てて重厚なサウンドを奏でる姿は、何故か崇高とさえ呼びたくなるほどにカッコよく見えます。それはやはり、あのチェロが奏でるサウンド故でしょうか。宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」で、セロなるものを「様々な感情を受け付ける音を奏でる楽器」、というイメージ的なものとして感じましたが、いかんせん音が聞こえる訳ではありません(宮沢賢治もチェロを弾いたそうですが、腕は…)。やはり、バッハが作った6つの「無伴奏チェロ組曲」を聞いて、あのチェロ独特の「音」の広がりに身を浸した時、畏れ多くも、バッハがチェロに対して感じていた可能性に想いがいたるのです。

チェロは3オクターブ前後、駒寄りの弦を押さえることにより5オクターブまで発音することは出来るそうです。ハーモニクス(倍音)を使えばさらに数オクターブの高い音を出せるようですが、非常に演奏が難しくなるでしょうね。つまり、チェロというのは音の守備範囲がバイオリン属の中では一番広く、その音域は、単一の楽器だけでアンサンブルを組むことを可能としています。バッハの6つの「無伴奏チェロ組曲」、「第1番ト長調BWV1007」前奏曲は有名です。これもTVCFで使われました。他の5つはこの前奏曲と合わせて演奏されます。その音の広がりたるや、先に述べたように「身体を浸せる」が如し、です。WEBで「第1番ト長調BWV1007」前奏曲を検索すれば、動画でその演奏を聴くことができます。

で、本記事のタイトルである「バッハは、チェロにギターの姿を予見していたのでは…」という私の想いですけど、元々チェロ自体もバッハの時代(1685~1750)に今の姿を持っていたわけではなく、五弦であったり、体の一部で楽器を支えて、バイオリン的な演奏をしていたようです。今日のようなあの長いエンドピンが現れ、両足で挟む演奏法、そして4弦になったのはバッハの死後18世紀の後半のようです。つまり、バッハはまだ試行錯誤の時代のチェロという楽器にかなりの予感を覚えて、あの「無伴奏チェロ組曲」を作ったのです。

ここから私の妄想が本格化しますけど、バッハの目にはバロックの、重厚で、様々に彩なす「音」が、ある一つの楽器、その時のチェロから生み出される可能性を感じていたのではないでしょうか。それが故にあえて「無伴奏チェロ組曲」を作った…。バッハの目の、その先に見えていたのは、腕の中に抱えられる大きさから「小さなオーケストラ」とまで称せられる「ギター」の姿だったのではないでしょうか。その辺りの事は本サイトの「とりあえず色々」の「ギターは小さなオーケストラ 然り…」に書きましたので、興味のある方はご覧ください。ここでのチェロからの感想とは違った視座から書いていますけど。

ギターに関して、個人的にはブルースを好んで弾きますけど、その音をシンプルなアルペジオで奏で、辺りを包む「木の音」に身を浸して楽しむ事もあります。チェロの演奏を聴く時もそうです。自分を包んでくれるような音を全身で感じて時を過ごす。なんとも、贅沢な楽しみです。あのチェロの音の広がりと、ギターという楽器の音の広がりが「同根」であると感じるのは、私の勝手な想いでしょうけど、ギターの歴史を思う時、ミシシッピーだけではなく、バロックの世界まで至るのです。

変ですか? いいんです、楽しいから。ちなみに私、当然、チェロは弾けません。

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