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サウンドその50:「ギターの音は育つ 自分の耳とともに」



ギターのある生活 ギターの音に関して、「良いギターは新品の時から良い音がする」とか「ギターの音は育てるもの。真新しいギターでは良い音は出ない」とか考える人がいますけど、これは感覚的で経験的な問題ですから、人それぞれでしょう。私自身は本編の「サウンドその24」で書いたように「ギターの音は変わっていくし、日々違う音を響かせる」と考えていますので、「ギターの音は育つもの、育てるもの」と思っています。

それはやはり経験則ではあるのですけど、新品のギターで接着剤や塗装、材のシーズニングが完璧という状態のものは無いと思います。それはやはり弾いているうちにコナレていき、時には剥がれることもありますが、音を出すことによって(全体を振動させる)、ギターも馴染んでいくのだと思います。ただ、単純に「だんだんよくなる法華(ほっけ)の太鼓」のようなものだとは思っていませんけど、日々の環境、例えば温度・湿度、自分の体調(指の動き)、気分などで聞こえてくる音は変わっていくと思います。「だんだん悪くなる」ということは経験したことありません。単板にしても合板にしても、そのギターの音は確実に良くなっていきます。

という事は以前の記事にも書いたのですが、最近、それに加えてもう一つギターの音を育ててくれるものがあると感じました。それは、自分の「耳」です。まあ、理屈で言えば音を感じるのは脳でしょうけど、まあ、そんなことはどうでもいいとして、自分の「耳」もギターの音を育てていく大事な要因だと思います。ギターが変わる訳ではないのでしょうけど、具体的に言うと、テキトーにゆっくりとアルペジオなんかで指を馴らしている時、ギターの音の中に何とも言えない「ふくよかさ」を感じ始める時があります。「あれ、こんな感じの音がしたっけ…」と思うのです。それが耳に気持ちよくて、そのままズッと、曲のコピー練習なんてやらずに淡々とアルペジオのコードを弾き続けている時があります。余談ですけど、最近その時間が長くなってきて、曲の持ちネタがなかなか増えなくなってきました。

本編の「サウンドその39」と「サウンドその40」で、音を言葉で表現するのは難しいのですが、あえて手持ちのギターでそれに挑戦してみました。そこで分かったのは当たり前ですが、「やっぱり、難しい…」という事です。で、それに加えて、自分の「耳」が今まで感じなかった音の響きを感じ始める時がありますから、なおさらに音を言葉で表現するのは難しくなってきます。

しかし、難しいということであるなら、何故かチャレンジしてみたくなります。今回は「どのギターが」というのは省略しますけど、一体、自分の耳と一緒に育っていく音とはどのような感じのものだと思われますか? まずは先に述べた「ふくよかさ」です。付け加えて言うなら弾いた弦の周りにフワッとまとわりつくように「柔らかな綿」のような音が聞こえてくる感じです。要は音のレンジがもう一段広がってくれるという事なのでしょうけど、忙しく弦を弾き続ける曲の時はあまり聞こえてきませんが、ユックリとしたテンポで弾いている時にそんな音が聞こえてきます。

あと、これはちょっと「マンマ」なのですけど、「優しく」響いてくれる音が聞こえてきます。まさに「心地良い」響きです。それから、「弾む」ように、ポーンと伸びてくれる音がギターから飛び出してきます。更には「低音の下にさらに響く低音」が聞こえてきます。これも音のレンジが広がったということなのでしょうけど、なかなかに「深み」のある音を体にも感じさせてくれます。他にも「金属的なキンとした音」とか「うねる音」とか色々とあるのですけど、キリがないのでこの辺にします。

で、これらの「耳とともに育っていく音」なのですが、その共通点はゆったりとした曲を弾いている時で、弦をしっかりと正確に弾けた時です。ですから、どうにも指が上手く動かない時にはなかなかそうした音を楽しめません。しかし、最近はブルースからいったん離れてみて、フォークの基本ともいうべきスリーコードをシンプルなアルペジオで楽しんでいる時、それぞれのギターから、今までには気が付かなかった音が響いてきます。自分のギターの楽しみ方はこれでいいのではなんて、最近は感じています。もちろん、軽快なシャッフルのブルースも楽しいですけど。

ちょっとカッコつけて言えば、「色々な木の中に埋もれていた音」を耳が見付け始めてくれているのかも。…です。

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