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日本のギター その源流に ヤマキ


Yamaki ロゴ
「Yamaki(ヤマキ)」というブランド、知ってはいましたが、楽器店で手にしたことはありませんでした。私は瀬戸内海沿岸の某地方都市出身ですから「ヤマキ」と聞けばどうしても鰹節メーカーの方を思い浮かべてしまいます(失礼ながら)。とはいえ、その「Yamaki」が作るアコースティックギターには、他のブランドに見られないようなコアなファン層がいるらしい、ということは聞き及んでいました。最初は、まあ、それほどの高級ギターが存在するのだろうくらいに思っていましたが、なんとその人気の対象は「合板ギター」。価格帯も数万円…。別に私はマーチン教でもギブソン教でもありませんでしたが、ギターというのは「払った金額を裏切らない楽器」という考えは持っており、少なくとも10万円クラスのギターでなければ長く飽きることなく弾き続けることは難しいだろうと思っていました。ですから、「Yamaki」のギターに興味を持つことは、正直、ありませんでした。しかし、それはいささか単純な思い込みであったことに後々気づかされます。

「Yamaki」ブランドに関して、「とんでもない」サイトがあります。その名は「YAMAKI解体新書」。興味のある方は本ページの下部リンクよりご覧になってください。「Yamaki」ファンならずとも、アコースティックギター・ファンであればご存知の方も多いサイトであると思いますが、私自身もサイト制作を(趣味として)やっている者として、デザインなどではなく、その中身・内容がこれほど「濃い」個人サイトはそうそうないと思います。実際、すべてに目を通すのにはかなり時間がかかりますし、「ここまでよく調べて、ここまで分かりやすくまとめてある」ことには驚きしかありません。この「Yamaki(以後、ヤマキと表記します)」のページは、その「YAMAKI解体新書」のURLを記すだけでいいかもと思えるほどです。まあ、それではこちらもサイト制作者として芸が無いので、自分の経験と、ヤマキのギターに関して思うことくらいはお伝えしようと思います。ですが、その情報源としては「YAMAKI解体新書」に集約されてしまいます。他のヤマキに関するページもそんな感じです(下の画像は1970年頃のヤマキのカタログです。「YAMAKI解体新書」さん、ヤマキに関するエレメントが手に入らないので貸してください)。

ヤマキはブランドであり、ギターメーカーなのですが、今現在の私のイメージとしては「日本のフォークブームの中にあって、日本のアコースティック・ギターの『源流』に位置する存在」です。それをヤマキという「ブランド」で語っていいのか、「寺平(てらだいら)兄弟という人物(兄の寺平一幸氏はギター製造を担当、弟の寺平安幸氏は経理・営業を担当)」で語っていいのか、その当時のギター黎明期の中で起こった「ビジネスのダイナミズム」として語るべきなのか、大いに迷ってしまいます。それらは他のギターブランドでも同じようなことなのでしょうが、ヤマキはその中で「独自の技術を養い、独自の音を創造」し、それはあのマーチンにさえ影響を与えています。そこにはピュアに「ギター作り」としての姿が映るばかりで、それ以外のものは姿を現してきません(私の印象です)。ちなみに、「ヤマキ」の名は「山幾」に由来し「山の木が喜ぶ」という意味から「木の本質を活かした楽器を作る」という思いが込められた名前だそうです。まあ、あのマーチンを凌駕したということではないのですが、その存在感はまさに前述したとおり「日本のアコースティック・ギターの源流にその姿がある」といっても過言でないほどのものを感じてしまうのです。ちなみに、マーチンは「アコースティックギターの基本形を完成させ、全てのアコースティックギターのお手本」という存在である、と考えています。その歴史には、アコースティック・ギターが存在する限り、「敬意を表する:リスペクト(Respect)」べきでしょう。

そのマーチンに影響を与えたという事ですが、それは「トラスロッドをギターの内部に持ってきた」「トップ板のブレーシングを左右非対称として音を創った」などがあるそうです。そのギター作りの手法も、例えばネックをボディに取り付ける手法や、ネック自体の強化にも独自な工夫が見られるようです。で、ヤマキ自身はギター作りに専念し、ヤマキというブランドはありますが、多くのメーカーに対してOEMで対応していたメーカーでもあるようです。ダイオンから「Hamox(ハモックス)」、栗林楽器から「Folks(フォークス)」といったように。他にもOEMでいくつかのブランドを送り出しています。で、そこらあたりにヤマキという存在の「分かりにくさ」があると、私には感じられるのです。まあ、時代の流れの中で起こるややこしい合従連衡というのは珍しいことでも、特殊なことでもないのでしょうけど。

余談ですが、ヤマキが活躍したのは1960年代後半から1980年代後半のようですが、その絶頂期にはあのヤマハと互角のブランドであり、そのカタログの表紙にはあの河島英五が起用されていたようです(別人であるとの説もあり。似てはいます)。なぜか妙にイメージが合っていますね。しかし、ヤマハは楽器だけではない総合的なメーカーであり、ヤマキはエレアコやエレキも作っていたようですが、フォークブームの終焉(エレキギターの台頭)とともに表舞台から去ってしまったアコースティック・ギターのブランドでしょう。世の中が生産効率を求めて機械化を進め、利益追求のための高級化路線へと向かう中で、あまり経済力のない若い世代に「合板性で安価ではあっても良質な音を奏でる」ギターを作り、それを残したという事実には、ヤマキという存在の「ヤマキズム」と呼ぶべきポリシーと、「貫く姿勢」を感じてしまいます。おそらく、ですが、組んでいる企業たちがあまり商売の上手い経営者に恵まれていなかったのヤマキ ギターでは(失礼)? そこで生まれたギターを手に取り、その音を、徒に高級品などと比較することなく受け入れた者たちが、熱狂的ともいえる鉄板な「ヤマキファン=ヤマキスト」をいまだに生み出しているのでしょう。

ちなみに、こうしたブランドに関するコンテンツを書いていると、色々と調べているうちに、そのブランドの考え方、ギター作りの姿勢に共感し、そのファンとなってしまうことがあります。それがけっこう顕著となったのはこの「ヤマキ」です。本サイトの「うちのギターたち」の中に、私が手に入れた「ヤマキ オーダーメイドギター」があります。ブランドは栗林楽器にヤマキがOEMで製作提供した「Folks(フォークス)」ですが。これは半世紀近く前に作られた「ハカランダ単板」のギターです。その音には感動すら覚えてしまいました。単板故に、ということではありません。単板でも響かないギターはたくさんあります。今のアコギとはちょっと違う素直な響きを持ち、昨今の高級品に見られるような美しい仕上げや装飾とは無縁な素っ気ないギターですが、延々とアルペジオでのんびりと弾き、部屋の中を満たす響きに心地よく時間を過ごしていくという、まさに「日本が作り出したギター」、「日本のアコースティック・ギターの源流」にある音を奏でてくれる一本が私のギターたちに加わりました。

<ヤマキ解体新書のホームページ>
https://dreamworks.fc2web.com/yamaki_daion/

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