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続 ハカランダ 分からんだ…


以前にこのカテゴリー「とりあえず色々」で「ハカランダ 分からんだ…」なんて、もろオヤジギャグのタイトルで記事を書きましたが、これは、私自身、ギターの音の良さを決める重要なファクトとして「素材」があることは認めているのですが、近年(かな?)、あまりにも「ハカランダ、ハカランダ!」とうるさいので、その「過大な評価」に少々異論をとなえたくなって、オヤジの愚痴的勢いで書いてしまった記事ですから、少々説明不足になっていることが気になっていました。ですから、ここで別記事ではありますが「加筆」的にもう一度考えを整理してみます。

先の記事に「モーリスW100はバックにハカランダを使用」と書きましたが、これは合板です。「S.ヤイリのYSD」もバックはハカランダの合板です。ハカランダ バックちなみにハカランダ単板のギターも持っています。アメリカの個人ルシアー(ギター製作者)製作の素性不明ギターです。無銘とはいえ、、その音は昇天ものです。サイド&バックが、その特徴から「追い柾目(柾目と板目のミックス)」のハカランダ単板に間違いないことは分かっていますが、このハカランダ使用と謳ったギターの中にはハカランダではない代替品が混じっている可能性が否定できません(多いかも…)。ハカランダ自体はワシントン条約で、もうかなりの昔から原木での輸入は不可能ですし、既存商品であっても通関ではチェックを受けるようです。噂ですけど、ハカランダ材(加工済み)を輸入したアメリカの個人ルシアーが、日本円で数千万の罰金を受けたという話もあります。事の真偽は測りようもないのですが、要はそれだけハカランダ材を調達することは難しいということでしょう。その希少性が高く評価されるのも頷けます。が、それ故、紛い物も存在しやすくなるという「利益至上主義」の現実があるのも然り、です。

実際、調達困難なハカランダ材の代替品として「ニュー・ハカランダ」「C・ハカランダ」って呼ばれるものがあります。例えば以下のようなものです。「ブラジルで採れたローズウッド」「ホンジュラス・ローズウッド」「マダガスカル・ローズウッド」「インディアン・ローズウッド」「ココボロ」など。ただ単にブラジルで取れたローズウッドを「ハカランダ」とは言いません。そもそも、ホンジュラスとかマダガスカルとか、これはローズウッドに限らず、マホガニーなどの素材でもそのように産地のような名称が付けられて、これは本来的な「植物学」による分類ではありません。単純に言えば、世界中に生えている木に全部その「生えている場所」の名前を付けていたら、ギター用の木材は百や千では効かないくらいの種類になるでしょう。これは、あくまでも流通上の便宜的な名称、区分であると考えた方が合理的です。確実な事実かどうかは分からないので恐縮ですが、「ハカランダ」というのは昔、ブラジルの山間部で伐採されたローズウッドの中に「特にギターに適した素材」があり、職人たちがそれを使用したことでハクが付いた素材のようです。その呼称がいまだに残っている、と。

耳学問的な事をいくら書いても面白くないので、自分が実際に聞いたことのある「音」で語ると、手元にあるハカランダ単板のギターはまさに「昇天」ものの音を奏でてくれます。スタイルは「1900年辺りのマーチンのコピー」だそうですが、ニューヨーカースタイルの12Fジョイントで、なんとダダイヤモンドボリュートイヤモンドボリュートが(ヘッドの裏側のとがった部分)、それ本来の目的である「ヘッドとの接合」となっています。これは1930年くらいまでの技法だったと思います。今のマーチンのギターすべてではありませんが、D-28や、そのコピーモデルにはその名残があります(右の画像で、これはマーチンのコピーモデル)。今はヘッドと一体の削り出しで、補強、もしくは装飾的に残っているのでしょう。話が逸れましたが、まだハカランダが自由に使える古い時代に作られたのであれば、当然、当時のルシアーが「最高の素材」として使用したハカランダ材がそこに使われている可能性は大です。で、その音をもとにして今現在耳にできる「自称ハカランダ」のギターの音を聞いた時、要は「色々」で、「これがハカランダの音」ってものが分からないというのが事実です。そりゃそうですよね、木は自然のものですから工業製品のように均一なものになる訳がありません。金属や樹脂などのように、材料そのものに均質な規格がある訳でもありません。

これと似たような素材に「幻のキューバンマホガニー」というものがあります。「吸盤」ではなく「Cuban」ですから吸い付きません。「キューバの」、て意味です。これは1920年あたりで「枯渇」し、今は小さな個体がちらほらと残っているようで、とてもギターの素材に使えるような大木はないそうです。当然、レッドブックの対象です。このキューバンマホガニーもハカランダ同様、ギターの素材としては「幻」「究極」なんて言われてたまに出てきますが、素材は過去に作られた家具(マホガニーの用途は高級家具が主)から削りだしたとか…。マホガニー バック先ほど書いたことを思い出して頂きたいのですが「キューバン」とは「キューバの」って意味で、品種名ではありません。マホガニーは様々なところに生えていますから、ホンジュラス・マホガニー、メキシカン・マホガニー、アメリカン・マホガニー等々、色々です。まあ、ハカランダ同様、マホガニーの中でルシアーが最高としたものがキューバ産のものの中にあったと解釈する方が合理的でしょう。キューバンマホガニーと言われても、木に名前が書いてある訳ではありません。残念ながら、「赤い悪魔」の音は聞いたことがありませんが、ホンジュラスマホガニーのギターは甘く優しい音を奏でます。以前は、マホガニーの甘い音を「腰の抜けた音…」なんて偏見を持っていましたが、最近ではその音の心地よさにすっかり改心しています。「赤い悪魔」とは、それとは違ったトウガラシのような音なのでしょうか…。

ココボロ バック ところで、先にニューハカランダと称せられるものの中に「ココボロ」という素材を記しました。これをサイド&バックに使用したギターも持っています(何本持ってんのか…)。ココボロ単板のギターであることは間違いありません。修理(調整ではありません。手に入れた時には壊れていましたから)の時に確認しました。この音もハカランダ同様、昇天ものです。ただちょっと音の性質は違いますが、ハカランダ同様硬質な感じの音は共通ですけど、こちらの方が少し「甘い」感じがします。トップがホンジュラスマホガニーだからかもしれません。まあ、個人的な感想ですが、響きの良さではやはりハカランダに軍配が上がるでしょう。杢目はこちらの方が美しいと思います。

ハカランダなるものやココボロなどの、素材の音が創り出す響きには確かにウットリとしますが、あまりにもその評価が独り歩きをして、その結果、情報の誤りや錯綜から、ギターユーザーの不利益になりかねないことは危惧します。それが杞憂であればそれに越したことはないのですが、ギターは「弾いてナンボ」、自分の耳を信じて、自分の好きなジャンルのサウンドを弾き出しましょう。私は確かにギターの工芸的な「美しさ」に惹かれる「コレクター」的なところもあると自分で認めますが、その本価値は「音」にあり、です。いくら、芸術の域にあるような美しいギターでも、「音痴くん」なギターであれば、それは…。ちなみに、ギターの素材の画像はなかなか個人的に揃えるのが難しいので、WEBで検索してご覧ください。いくらでもありますよ。ご参考までに「クロサワ楽器店HP」に、「ギター素材」についての分かりやすいコンテンツがありますのでURLを貼り付けておきます。

https://www.kurosawagakki.com/sh_machida/ag/tips/wood.html

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