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ギターを弾くなら、一度はブルースを


目の前に、何度読んでも飽きない本が一冊あります。「ギター・マガジン:Guitar magazine」の2017年2月号です。その特集は「ブルース最強説。」です。その表紙には、あのゴージャスな「ジャンプ・ブルース(Jump blues)」の大御所、B.B.キングの、彼の愛機「ルシール(自分のギターに必ずこの名を付けるようです。何故ルシールなのかは省略しますが、女の名前であることは確か)」を抱えて「いってる」表情がデカッと載っています。情感こもって、仁王様もマッツァオ。
ギターマガジン ブルース最強説
ちなみに「ジャンプ・ブルース」というと一般にテンポの速い、ホーン・セッションを加えた、ブルースの亜流のように解説されているようですが、私はパーラー(小さな店)で演奏されていたブルースを、演劇場のステージで興行可能にしたゴージャスな、スイング・ジャズにも負けないステージ上でのパフォーマンスを持ったブルースというイメージでこの言葉を使います。その巨人たちの中にB.B.キングがいて、マディ・ウォーター、T・ボーン・ウォーカーたちがいるという世界を思い浮かべます。純粋な意味でジャンプ・ブルースの定義にこだわる方がいらっしゃったら、あくまでもイメージという事でご容赦、です。この「ギターマガジン」のサブタイトルには「徹底検証 魂の叫びを歌え!!!」とありますが、これ、極めて予定調和的なブルースのコピーですね。私は個人的にこういう煽情的な言葉、気恥ずかしくなるような思いがするので好きではありません。ブルースはむしろパーラーで酒でも飲みながら気儘にかき鳴らされるものだと思います。まあここは好みですけど、今でも「パーラーギター」と呼ばれるスタイルがあるのは、小さな店(少人数)でも聞かせることができる小さめのギターという事です。ドレッドノートタイプは似合わない。

この「ギターマガジン」、店頭で「ブルース最強説。」のコピーが目に入ってきて、中を見ると目が眩みました。そこに並んでいるミュージシャンたちの面々…、B.B.キングはもとより、フレディ・キング、マディー・ウォーター、ハウリン・ウルフ、アルバート・キング、T・ボーン・ウォーカー、アルバート・コリンズ、バディ・ガイ、ジョン・リー・フッカー、ゲイトマウス・ブラウン、エルモア・ジェイムス、ブラインド・レモン・ジェファーソン、タンパレッド、神様ロバート・ジョンソン、ライトニング・ホプキンス、サン・ハウス、ミシシッピー・ジョン・ハート、まさに綺羅星のごときブルースマンたち…。即、レジへ直行です。私の音楽遍歴というか、好みの音楽が一気に宗旨替えのように変わってしまったことについては本編の「ギターのある生活 サウンドその8」「ギターを始めて音楽の好みが変わった… Yeahhh!」と、ブルースに傾倒していった自分の経験を兄弟サイト「テキトー雑学堂」の「その他 その11」「ブルース… 耳から鱗が落ちた瞬間 Oh,Blues!」に書きましたが、興味がおありの方は(無いか…)、ぜひご覧になってください。

家に帰ってじっくりと読みました。懐かしさと、昔、彼らの曲をコピーしていたころの想いとで、お恥ずかしい話、目頭が熱くなるほどに頭の中が泡立ちました。その本の中に紹介されているブルースマンの殆どはもうこの世にいません。その中に書かれていないブルースマンにも大好きなプレーヤーはたくさんいます。オーティス・ラッシュやジョニー・ウインター…。我々が今楽しんでいる現代的な音楽のルーツの殆どがブルースにあると言っても過言ではないでしょう。ロックン・ロールからロック、そして様々なサウンドのミックスを経て、未だに多くのミュージシャンの中にブルースは生きています。

ところで、「ブルース」って何でしょう? そのことについては先の「テキトー雑学堂 その他 その11」に書いたのですが、まず、淡谷のり子でないことは確かです。至極簡単に言ってしまえば、アフロ・アメリカン(奴隷、そして差別という悲しい歴史をもったアメリカの黒人たち)の持っていた独特のリズムと音階が作り上げた音楽のスタイルで、西洋音楽のお行儀のよい旋律とは違う、自由闊達な生命力にあふれた音楽です。ロックン・ロールの8ビートに通じる3連符の中抜きであるシャッフルのリズムと、シンプルな「ブルース進行」と呼ばれるコードの進行をベースにした「突破力」のある音楽です。少し詳しくテキトーに書くと、ブルース進行とはトニック、サブドミナント、ドミナントの3コードで構成された12小節のコード進行が基本。キーがEなら、トニックがEでサブドミナントは4度上のA、ドミナントは5度上のBで、「E→E(or A)→E→E→A→A→E→E→B→A→E→B」が循環していきます。バリエーションは色々。ワンコードでのブルースもあります。で、そこで使われる音は「ブルーノート」といわれるブルースの5音。この辺りはあまり詳しくやるとキリがないので、例えば日本にも「四七抜き(よなぬき)」といわれる五音があり、これは主音が「ド」として、そこから四つ目の「ファ」と、七つ目の「シ」がない音階「ドレミソラ」です。これは、「未知との遭遇」という映画でもそうでしたが、どのような民族(映画の場合は宇宙人ですが)も、独自の五音をその文化としてもっていると解釈すればよいと思います(ちょっと、テキトー雑学堂の記事と被ってしまいました。ご容赦)。

で、「ブルース」なのですが、結論から言うとその音楽性もさることながら、このブルースをギターで楽しんでいると、「コード」と「スケール」との関係が自然に分かってくるのです。つまり、シンプルでありながらグルーブ感のあるブルースの「コード」進行と、そのコードごとに使える音、つまり「スケール」との関係が、まさにシンプルであるがゆえに分かりやすいのです。と言っても、簡単、という事ではありません。まずは、ストロークで典型的なコード進行(Eのキーから始めるのが基本ですかね)を覚え、コードチェンジの合間に簡単なスケールを使った「経過音」をいれて遊んでみれば、楽しいこと、この上なしです。

ギターでどのような曲を弾くかは個人の好みですけど、大きなお世話ながら、ブルースを知らずしてギターを楽しむのは「誠にもったいない」、です。ブルース・ギターはアコースティックギターでもエレキギターでも教則本がたくさん出ていますから、まず自分の気に入った曲をコピーしてみるところから始めるのが手っ取り早くていいですね。ブルースは…、って理屈は後回しにして。私個人の感想で言えば「ギターってのは、こんなに自由で、情感豊かにノリノリで楽しめるんだ!」と、とっても楽しい趣味になってしまいました。これがお勧めです、なんてものはありません(自分が好きなものはありますけど)。まずは、指先にそのノリノリを感じられればOK。これは余談ですけど、ン十年ぶりでギターを再度始めたアラカン・ギタリストの私は、無謀にも「やっぱ、クラプトンのアンプラグドは外せないでしょう」と"Before you accuse me"、"Hey Hey"のコピーにチャレンジ。まず、指が動かん…。タブ譜が頭に入らん…。なにより、自分が何を弾いているのか、分からん…。しかし、たまにまぐれで上手くいくと、それが、たまらん。カ・イ・カ・ン! 道は遠いが、楽しいものです♪

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