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ギターのピックガードって、必要…?


唐突なタイトルですが、私がギターを買った頃は、ギターにあのピックガードが付いているのが当然てな感じで、むしろ、あれがギターのデザイン上のポイントになっているくらいでした。クラシックギターにはありませんでしたが。で、当然、私が買ったモーリスのW100(?)にも黒いピックガードが付いていました。形はいわゆる「ティアドロップ」。当時、ハミングバードやギブソンのJ-45、ギルドのピックガードの方がカッコよく見えましたが、ピックで弾いてもそのガードに当たるという事は、私の場合、有りませんでした。ですから、何か「装飾的」なものだろうと思っていました。指弾き(アルペジオやスリーフィンガー)が主でしたから、ピックガードは全く無用のものと言ってもよい存在だったのです。

ピックでガンガンという弾き方は当時も今も殆どやりません。伴奏なんてしないし、弾き語りもやらないし、昔は、ひたすらサイモン&ガーファンクルのコピーや、イントロが面白い曲のコピーをして楽しんでいました(当時はイントロ野郎なんて呼ばれましたが、今はブルース一色)。で、当時何を考えていたのかもう覚えていませんけど、とにかくあのピックガードってのが邪魔に思えて、目障りだし、特に役に立つとも思えないし、取ることを決断しました。なんで、そこまで思ったのか思い出せないのですが、爪でカリカリと剥がすキッカケを作ってそこから少しずつ力を入れて、メリメリと両面テープを剥がして行き、ついに取ってしまいました。後に少し残った両面テープの糊を剥がすときに、慎重にやったつもりですが爪でカリッ…と傷を入れてしまい、ちょっとガチョーンとなりましたが、まあまあきれいにピックガードを取ることができました。

今考えれば、意味のないことを、と思うのですが、若い時分ですから何か気になり始めるとやってしまわないと落ち着かなかったのでしょう(今でもそうですけど…)。で、しばらくは「ノッペラボウ」のドレッドノートのボディを抱えてギターを弾いていました。友人からは「お前、どうでもええけど、何考えとんねん…(関西弁)」と言われましたが、自分としてはけっこうその「ノッペラボウ」が気に入っていました。で、それほどの腕がある訳でも音感が人よりある訳でもないのですけど、何となくギターの「響き」が良くなったような気がした記憶があります。特に、高音の。サイモン&ガーファンクルの「スカボロフェア」などを弾くと、明らかに「高音の響き」が良くなっている、と感じました。まあ、錯覚と言われればそれまでのことなんですけど…。

で、ある日、楽器店に立ち寄った時に、「後付け」のピックガードなるものがあることを知り、興味津々で見てみると、ハミングバードっぽいのとか、ギルドっぽいのが売っていて、その中に今までに見たことのないデザインのピックガードがありました。私の目はそのピックガードに吸い付けられて、気が付いたらご購入!多分、ヤマハのギターに同じようなピックガードのものがあったと記憶しています。で、「ノッペラボウ」のW100に合わせてみたのですがどうもちょっと「座り」が悪い感じがして…。デザイン的には気に入っているのですが。そこで、元はハミングバードのピックガードのように角が尖がっていた箇所をヤスリで削り落とし、カッターで根気よく面取りをしてみました。すると、これがバッチリ! ピックガードを取って「音が良くなった」なんてことは頭から飛んでいます。両面テープでW100に張り付けて、「おー、オリジナル!」なんて、悦に入っていました。今考えると、マーチンのコピーモデルとはデザイン的にミスマッチであったと思いますが、その当時はそんなこと、何も考えてはいません。

オリジナル ピックガード 右の画像がその時のピックアップです。今でも記念に持っています。このピックガード、けっこうヘビーな作りで厚さは1mm以上あります。しかし、確かにそう派手なデザインではないし、当時の私の目には自分のギターが特別なものになったような気分でした。まあ、自己満足ですけど。友人がそのギターを目にした時、「お前、ホンマ、ショーもないことやっとんな(関西弁)」と呆れ顔で一言…。いいんです、ほっといてちょーだい。私のギターですから。

しかし、です…。やはり、というか、阿保というか自業自得というか…。フィンガー・ピッキングで弾くと、明らかに高音部がこもって前に出ないのです。ピックを使ってガンガンストロークする分にはそれほど気にはならないのですが、指先で力を入れて弦を弾いても、とにかく音が前に出てくれない。ショック…。そりゃ、そうですよ。理屈から言っても、ギターの表板の高音側にブ厚いピックガードを貼り付ければ、そこの振動が妨げられるのは当然です。そのピックガードを気には入っている。しかし、音が…。ハイ、またW100はもとの「ノッペラボウ」に戻りました。そのピックガードはお部屋の飾りというか、オブジェとして今日まで生きてきました。ストロークでガンガン弾くのであればこのピックガードでもなんとかなるのでしょうけど、フィンガー・ピッキングでサムピックもフィンガーピックも使わない「指先そのまま肉球奏法」では、明らかに音が落ちてしまいます。かつて、ティアドロップのピックガードを外したときに高音部の響きが何となく良くなったように聞こえたのは錯覚ではなかったのでしょう。

モーリス W100 ギターの基本的な形を完成させたマーチンの古いギターを見ても、ピックガードが付いてないものが多いようです。ピックギターはブルーグラスなんかでストロークガンガンですからピックガードはついていますが、これは貼り付けるタイプではなく、今のエレキのように本体に取り付けるタイプ。スタイルが下幅12インチを越えて、0モデルが00、000になっていくに従ってピックガードを貼り付けたモデルが多くなっているように見えます。後付けのものもあるでしょうね。ドレッドノートからはもうこのピックガードが、表板の一部になっています。塗装がピックガードの部分には塗られず、ピックガードを貼り付けて、その後から塗装していたようで、昔は接着にも膠(にかわ)が使われていたとか。そうなるとまさにピックガードは表板の一部。交換が大変そうですけど。今のW100ですが、薄いピックガード自作用のシート(ゴルベ板)をカットして貼り付けています。別に無くてもいいのですけど、何となく、昔にいいなって思ったピックガードのイメージが懐かしくて…。って、本当はキズが付いたので、そのキズ隠しなんですけどね。極力、音に影響しないように薄いものを貼り付けています。

で、今、数えるのに両手が必要な「扶養ギター」たちがいますが、ピックガードが最初からないものもあります。最近はピックガードの付いていないモデルが増えていますね。もともと、新品でギターを購入するとき、ピックガードを付けないでくれと言えば、貼ってない状態で納品してくれるみたいです。ピックガード自体はもらえるようですけど。

ピックガード 剥がしたギター あくまでも個人的な考えですけど、フィンガー・ピッキングオンリーなら、ギターのピックガードは要らないのでは、と思いますね。かといって、持っているギターすべてのピックガードを剥がそうなんて思いませんけど。装飾的なものではあるでしょうから。なかなかシンプルでデザイン的にカッコいいものもあります。ティアドロップであっても、小振りで渋いマーブル系のものは良いですね。今、メインで弾いている000モデルのギターからピックガードを引っぺがしました。が、なんとピックガードの形に日焼けのコントラストが…。まあ、ピックガードの形で残っているので、木目調のものでも貼っていると思えばいいか…。音はやはり良くなりますよ。ハーモニクスの出方が違います。ちなみに、ピックガードの剥がし方ですけど、急がずにゆっくりとやることが肝です。素材は樹脂ですから、ドライヤーで熱を加え、接着剤とピックガードそのものを柔らかくして剥がして行けば比較的簡単に取れます。ノリが残って、それを取る場合、一番無難なのはレモンオイルでしょうね。接着剤をある程度柔らかくはしてくれます。根気よく、ボロ布で拭いて絡めるようにして取るのが安全策。ベンジンやシール剥がし剤などはラッカーと反応する可能性があるので、避けられた方がよろしいかと。ただし、他にもやり方はあるかもしれませんので、このようにやられる場合は、自己責任でお願いします。

まあ、ピックガードを「装飾」として割り切るなら、コンパスカッターやローラーカッターで素材(ゴルベ板)を加工すれば、何とかそれっぽいものは作れます。有りものでサウンドホールの径とピッタリ合うのは意外とないです。プロに製作を頼むと、ちょっとお高い。色々、ピックガードを自分で作ってみるのもギターの楽しみ方かな、って、タイトルと違うことを言っているような…。

【追記】
ヤマキ ギター ピックガード無し これはあくまでも「好み」というか、個人の勝手の様なものですが、ヤマキのギターにピックガードの浮きが出始め、もともとなぜか「黒いティアドロップ」のピックガードが好きではないので、これもついでに剥がしました。半世紀近いお歳の個体なので接着剤が固まっていたのか、ちょっと手こずりましたが、そんな時は、ゆっくりと剥がしていくのに加えて、レモンオイルを剥がしていく個所に少しずつ垂らしてやると接着剤が溶けるのか、剥がしやすくなります。絶対にレモンオイル以外の溶剤なんて使わないように。ラッカーと反応する場合もありますから。レモンオイルは安全。ウーン、やはり音が良くなったような…。良い子はあまり真似をしないように。

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