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単板? 合板? 高級素材? 要は音!


私はギターに工芸品としての美しさを感じ、鑑賞みたいな趣味も持っている事、何度か書きましたけど、相変わらず、お店(今はリペアショップ以外、あまり行かなくなりましたけど)やWEBサイトなどであれやこれや眺めては楽しんでいます。同じような趣味(かな…?)をお持ちの方は少なくないのでは。特に、昔のギターに美しさを感じ、それはやはり「材」の「さりげない」美しさではないかと思っています。それから、それを作った職人の製作方針の様なものが感じられるとまた、楽しさも倍増します。まあ、当然、憶測・仮説の域は出ませんけど。

で、在宅で請負仕事をしているアラカンオヤジは、キーボードを叩くのに疲れると、WEBでギター鑑賞を始めます。最近のお気に入りはコリングスの古いモデル。あの有名な広告のコピー「何も足さない、何も引かない」という言葉が浮かんできます。昔はけっこう光物(ひかりもの:装飾)に惹かれる傾向が強く、「お前はカラスか…」なんて言われていましたが、最近では、そういった装飾を排し、そのシルエット(デザイン)と材とのマッチングした美しさを楽しむようになりました。歳を取ったせいでしょうか…。枯れてきたとか…、ってのは嫌ですけど。ちなみに、アラカンになって私が求めたギターは、ブランドなどなく、その材、そしてそこからどのような音が響いてくるのかというワクワク感で、主にヤフオク(だって、一般には売っていないから…)で手に入れています。

ヤマキ オーダーメイドギター ココボロ、ホンジュラスマホガニー、アカエゾマツ(アディロンダックの可能性も…)、ジャーマンスプルース、お約束のハカランダ等々。それらの材に興味を覚え、素性がよく分からないギターをとにかくできるところまで調べ、時には仮説を立て、思い込みもOKで手に入れてきました。随分と勉強にもなりました、という可愛らしい事を言いますが、確かに色々と面白いことが分かります。で、今のところ、失敗は無し。これは自慢したい。古いギターが多いのでリペアショップのお世話になるのですが、その際に「材」について聞いたり、造りについて確認したり、もちろん自分で調べもしますけど、思っていたことと違っていた、なんてのはありがたいことにありません。で、その中にある「うちのギターたち」の「ヤマキ オーダーメイドギター」ですが、これはかなり迷いました(右上の画像。ピックガードは浮いていたので剥がしました)。なんせ半世紀前のギターですし、カスタムですから情報が殆どありません。詳しいことはコンテンツをお読みいただければありがたいのですが、ギターにヤマキの文字は入っていません。"Folks" のブランドで栗林楽器(今は無い)がヤマキに委託し、販売していたものです。ギターのサウンドホールから見えるのは "MANUFACTURED BY THE FOLKS MUSICAL INSTRUMENT" の文字だけです。

で、これは思った通り大当たり。ハカランダ単板である根拠ですが、もう一本持っているUSAルシアー製作のハカランダ単板ニューヨーカーと同じ音がすることです。厳密にはモデルが違いますから、低音部の出方など少し違いますが、その響きの美しさは全く同じです。ちなみに、古い単板は、他の記事に「参考までに」という事で書きましたが、ジャガイモのように不規則に歪んでいる場合があります。また、縦に木にまで及ぶクラック(補修痕)があり、サイドに割れ止めの替わりに「膠(ニカワ:動物の皮や骨などのゼラチン質から作る接着剤)」が塗ってあれば、まず単板でしょう。合板ではそのようなことはありませんから。ハカランダはこれといった決め手が難しいのですけど、まず、「真っ黒な筋(ブラックインク)」と「蜘蛛の巣のようなモニャモニャした紋様」、そして他のローズウッドとは違う「赤味」を帯びているのが通り相場と思います。ただ、マーチンのプリウォーモデルには「これ、マホガニーだろ」って言いたくなるような柾目のものもありますけど。

まあ、ここまで「自慢めいた」能書きを披露して、また勝手なことを言いますが、合板だろうが単板だろうが、正真のハカランダであろうが、最も大事なのはそのギターの「音」でしょ。合板だから、単板だからどうのこうの、ハカランダがあーだらこーだらなんて、個人の楽しみでやっている(私)なら勝手ですが、だからそれが「高級ギター」であり「高いお値段のギター」と称するのは、笑止千万(オヤジ臭い言葉、オヤジですから…)。そのギターがノーブランドであろうと何であろうと、もし、単純なアルペジオだけを何時間でも弾いていたくなるギターに出会えればそれは、至福の時間をもたらしてくれる「宝物」なのです。

これまでに何本かギターを手に入れてきたヤフオクは、情報よりも能書きが多い。しかも、「高級」だとか「奇跡の」「ミント」「二度と手に入らない」等々、煽情的で、良く調べてもいない無責任な事を言っているものがけっこう目につきます。まあ、買う方もリスクは不可避で、自分の判断を信じるしかないのですけど、明らかに間違っていることを平気で言っているものが多い。「売りたい」のは分かりますが、「金が関わるものは当然商売」であり、そこに「責任と信用」が見えなければ、それは「商売」ではなく、別の言葉を使うべきと思います。

で、別にアラカンオヤジが「正論振りかざして」熱くなっているという訳でもないのですけど、ヤフオクで面白い出品物を見つけました。なんと、今までに一回か二回くらいしか見かけたことのない、私と同じ「栗林楽器のFOLKS」があったのです。サウンドホールからは "MANUFACTURED BY THE FOLKS MUSICAL INSTRUMENT" の文字が見えます。ヘッド形状も同じ。で、やはり、元のオーナーはもういらっしゃらないという事で、形見分けの品とか。私の場合とほぼ同じような状況ですね。ですから、ギターに関する情報が決定的に少ない。まあ、分かる範囲内で「高価なもの」と考え、けっこうな値段をお付けになっていましたが、出品者は自分がギターに詳しくない事を明確に述べられているので、特段の事も無いでしょう。ただ、ハカランダと謳っても、その値段ではさすがに売れない…。マーチンが買えますから。とはいえ、ちょっとアラカンオヤジが「イラッ…」としたのは、質問欄に「FOLKSなんて遥か昔に数万で売られていた安物」で「値段が異常」といかにも訳知り顔(って、顔、見えないけど…)のように書き込んでいる「おせっかい」がいたことです。そういう輩、最近多い。あれは取引のための質問欄ですよ。反感があるのならスルーすればいいでしょ。

ヤマキ ギター 確かに "Folks" には数万の廉価版が存在します(評判の良いギターです)。それはそれで、栗林楽器のカスタムギターという存在を知らない輩なのに、十分に(苦労して)調べもしないで他者の出品物を中傷するなんて、なんと痩せた行為。まあ、それがあのヤフオクという世界なんでしょう。もともとが精神衛生的にはあまり良くないところがある世界ですけど(WEB自体がそうかな)、ジックリとあの商品の画像でも見て楽しむくらいの粋なところが無いのでしょうかね。偽物と思えば、自分には関係ないというだけでしょ。

ハイ、そこなんです(どこだよ…)。その出品物、同じ栗林楽器のオーダーメイド企画商品ですが、当然発注者の希望によってデザインや素材が変わってきます。そのギターのトップ(表板)は、当時のヤマキの定番であるシダーのようです(私のはシダーではない)。で、バックを見ると、確かにハカランダの柾目(オバンコールのようにも見えますが、当時、使われていたかどうか…)っぽい質感です。しかし、内部を見ると「不自然な接ぎ(はぎ)合わせ」が見られます。ですから単板ではありません。で、どうにも不思議なのは、柾目の板が斜めに取り付けられているのです。「何で…?」。何とも、奇妙な内側の景色です。合板なら、こんな「接ぎ合わせ」はあり得ないし、せっかくの柾目(っぽい)材を「斜め」に…???? 質感的にはハカランダかな(?)、ですけど、この加工は何でしょうか? 前の持ち主同様、おそらく作られた方も、今いらっしゃるかどうか…。職人さんは「自分勝手流」で、時にはイレギュラーな作りをすることはあるようですが、これは初めて見る加工(?)です。

その意図は分かりませんが、ヤマキが「合板で作る音」には定評があるので、このギターからヘナチョコな音が出ることは全く想像できませんけど、勝手にアラカンオヤジが思うに、バック(裏板)を削り過ぎて、ちょっと薄くなったから、製作時に残った端材を継ぎ足して厚みを出したとか…。であれば、内部のあちこちに「接ぎ合わせ」の痕が、ってな事になるのでしょうか。合板は奇数枚を貼り合わせ、中の材の木目は(補強のため)交互に直角で重ねていくはずなのに、この斜めの材は…。もしかして、2枚張り合わせただけだったりして。ってことになると、これって「補修単板」…。ハイ、まさにこれなんですよ(だから、何が…)、いろいろと想像して楽しむってのは。調べてみたけど、やっぱり分かりません。何か分かったら書きますけど、こうやってチンタラ考えているのもギターの楽しみなんですよね。って、変…?

【追記】
上記画像の内側の画像を見て「不自然な接ぎ(はぎ)合わせ」と書きましたが、そうは見えますが更によく見ていると、「もしかしたら、そう見えるような木目…」ってな気もし始めました。結論を先に言えば「分からない」なのですが、完全な柾目材はともかくとして、ウネリのある柾目材(グレードは落ちます)であれば、厚さ2~3mm程度の中でも、目が広がる方向や閉じる方向に流れて、ドンピシャその目が表と裏で合うとは限らない事(木材のプロの言葉)、以前に書きましたが、まさかとは思いますけど、ウネリの頂点が鋭角になる木目というのが「あり得るのか…?」という新たな疑問が湧き上がってきます。

もし、万が一、目がこのような形で変化して流れるような事があるとすれば、とんでもなく珍しい材で「単板の可能性あり」となります。「まさか…」ではあるのですけど。ってことで、木というものは自然のものですから面白いのです。まあ、木材のプロになろうとしている訳ではないのですが、今現在調べた範囲内で、このような木目にはお目にかかれませんね。まあ、こうした事に好奇心を持つというのも楽しいと言えば楽しい事、です。

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