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クラシックギター スパニッシュ?


分かっていたつもりでも、改めて考えてみて、「はて?」なんて思うような事って、ありませんか? まあ、それは日常的によくあることですけど、例えば「マナーとエチケットはどう違うんだっけ?」なんて考え込むことがあります。まあ、自分的には「マナーは社会の中でお互いが不愉快にならないように取り決めた約束」で「エチケットはそのための具体的な言動、行動、姿勢」ってな理解で良いと思っています。それは置いといて、このサイトはギターのサイトですから、ギターに関しての事ですが、アコースティックギターは両手の指で数えられないほど持っていますけど、同じアコースティックなのに「クラシックギター」は持っていません。触ったこと位はありますが、殆ど弾いたことはありません。ふと思うのですが、何ででしょうか? 同じアコースティックギターなのに、何が違うのか?

クラシックギターと、取って付けたような疑問が湧いてくるのですが、やはり、違った構造のギターであり、もちろん音的にもけっこうな違いがあるからでしょう。構造で言えば、まずそのネックの太さ。50mm前後はあります。しかし、私が持っているニューヨーカータイプのギターのネックは48mm。それほどの違いはありません。しかし、これはクラシックギターの構造的な流れを受けた時代(1900年頃までか)の名残で、今やスチール弦のアコースティックギターのネックは42~3mmです。余談ですが、私、手は小さい方ではないので50mm近いネックでもグワシッと握って、親指で6弦を抑えるテキサスグリップなどをやっております。だからクラシックギターのネックに特に違和感はありません。やはり、一番の構造的な違いはその「弦」でしょう。ややこしいので便宜上、スチール弦のアコースティックギターをフォークギター(古っ)としますが、クラシックギターの弦は低音はラウンド弦で同じですけど1弦から3弦まではナイロン弦です。

このナイロン弦が、抑えた感じもその音色も、スチール弦とは全くと言っていいほど違います。柔らかくて、指ではじいた時の振幅も大きく、優しく甘い音色です。スチール弦のキンとした金属的な音(鉄だから当然か)とは全く違います。クラシックギターのナイロン弦は昔、羊などの腸で作った細い紐、つまりガットを使ったことからガットギターとも呼ばれます。基本的な構造は同じなのですけど、12フレットでボディにネックが接続され(14フレットで接続されたものもあるようです)、ドレッドノートタイプのフォークギターと比べるとボディは小振りで、いわゆるラウンドショルダーの瓢箪型です。っていえば、ニューヨーカーとほぼ同じような構造ですね。ヘッドも今のようにフラットではなく(私のニューヨーカーはフラットですけど)スロテッドヘッドと呼ばれる加工がされています。スロテッドとは "Slotted" で「スロット(細長い穴)が開けられた」という意味です。右上の画像にあるクラシックギターのヘッドです(ヤマハさん、クラシックギターを持っていないので画像をお借りします。宣伝しますから)。

ニューヨーカータイプは持っているのにクラシックギターを持っていないのは、このギターが私の好きな「ブルース」には不向きな音だからです。クラシックギターでチョーキングする人って、いないでしょう。シャッフルのリズム刻んだり。クラシックギターっていえば、「ボサノバ」や「タンゴ」、「ジャズ」なんかでも使われますよね。日本では何といっても「演歌」。古賀メロディーはこのクラシックギターから生み出されます。どのジャンルも、ブルースのようにチョーキング(正しい表現はベンディング)もクォーターチョークもシャッフルもない、誤解を恐れずに言えば「洗練」された感じのメロディーです。クラシックギターでブルースやっている人って見たことありませんね。

私の場合はブルースという個人的な嗜好でクラシックギターに興味を示すことがありませんけど、スタンダードな曲を演奏する人はけっこうクラシックギターを手にされるのではないでしょうか。ただ、知り合いの女性の言葉ですけど、やはりあの太いネックが「ネック(ものごとの一部分に障害や規制や短所があること:ボトルネック (Bottleneck) の略)」で、握りやすいネック幅のフォークギターの方が弾きやすいとか。ではなぜ、クラシックギターのネックは太いのか? それは「ソロでの演奏に特化しているため」のようです。つまり、弦の振動が大きいため、それらが干渉しないように弦と弦の間を広くしているためにネックそのものが広くなるということのようです。ニューヨーカーのようなギターは古典的なギターのスタイルからフォークギターへと変わっていく途上での、過渡的なスタイルのギターなのでしょう。ヤマハが初期の頃(1961年)に作ったフォークギター「ダイナミックギター」は、見た目はクラシックギターで、それにスチール弦を張っています。ニューヨーカースタイルでも最近のものはネックが細くなっています。いわゆるパーラータイプの小振りなフォークギターのネックはドレッドノートタイプと同じです。

で、改めてギターの歴史を見てみると、ギターのように、弦をはじいて音を出す撥弦楽器(はつげんがっき)の原型が記録上(壁画)に現れたのは、それこそ古代エジプトの時代にまで遡るようですが、今日のギターとしての形を持った楽器として登場したのは14世紀から15世紀頃のスペインで、だそうです。だからクラシックギターを「スパニッシュギター」とも呼ぶのでしょうね。今のクラシックギターはフォークギターとほぼ同じような構造ですけど、おそらくこの頃のギターは古典楽器の技法で作られ、例えばライニングというサイドとトップ&バックを固定する構造も、今は殆どが「スリット(縦の切れ目)を入れた加工」ですけど、バイオリンなんかと同じ「ノンスリット加工」だったのではないでしょうか。ブレイシング(力木:ちからぎ)の構造も今とは違っていたかも。ちなみに、今でもフォークギターとクラシックギターのブレイシングは少々違うようです。トップ板のうらのブレイシングを「響棒(きょうぼう)」と呼ぶそうですけど、フォークギターの場合はスチール弦の張力に耐えられるようにかなり頑丈な構造「X状」になっていますけど、クラシックギターの場合は強度よりも、音色を重視して「扇状」になっているようですね。

ここで、クラシックギターについてもう一つの呼称を思い出しました。それは「フラメンコギター」です。あの情熱的な舞踏、フラメンコを、これまた激しいパーカッシブなストロークで演奏するあのギターです。見た目はクラシックギターですが、音質重視に作られたその構造が、あのフラメンコの演奏とちょっとイメージが合いません。てなことを思っていたら、やはりクラシックギターとフラメンコギターは違う構造を持っているようです。納得。ギターのトーンウッド(素材)も違うようです。クラシックギターはフォークギターと同じようにシダーやローズウッドで作られますが、フラメンコギターは軽い杉系のトーンウッドを使うようです。また、フラメンコギターの演奏ではカポタストを多用するそうで(知らなかった…)、カポタストをしても弾きにくくならないように弦長を長くしている(ロングスケール)ようです。弦高も比較的低めで、その激しいストロークプレイにボディが耐えられるようにトップ板は厚めに作られていて、さらには保護としてフォークギターのようにピックガード(ゴルぺ板)が付けられていることが多いようです(後付けの場合もあり)。

はい、ふと思った「クラシックギター」についてあれこれ調べたり考えたりして見ましたが、なるほどね、の連続です。まあ、気にしなければ気にしないでも済むことなのでしょうけど、面白い。とは言え、自分の音楽的嗜好から考えて私がクラシックギターを手にすることは無いでしょう。憧れのライトニングホプキンスがクラシックギターを弾いている姿なんて想像もできません。

しかしながら、同じ構造を持つアコースティックギターなんですよね。もし、手が大きくてあのネックが「ネック」にならず、スタンダードナンバーをソロで楽しみたいと思われる方には、クラシックギターもお勧めですね。ギターを手にして「禁じられた遊び」のメロディーを一度は弾いてみた方は多いと思います(私も)。あの「アルハンブラ宮殿」のトレモロのメロディーは美しい。あんなのが弾けたら楽しいことこの上なし。アラカンでトライしてみるのもカッコいいですよ。そう言えば、私もかつては、パコ・デ・ルシアや、「銀の指を持つ男」と呼ばれたマニタス・デ・プラタ(名前の意味が「銀の小さな手」)のフラメンコギターに憧れた時期がありましたね。何かのキッカケで、そっちに行っていた可能性もあったりして…。

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