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S.ヤイリ YO-45


S.ヤイリ ヤイリというブランドには「K」と「S」と「A」が存在します。そのあたりの話はまた別の機会に書こうと思っているのですが、簡単に説明すると、もともとは矢入儀市(あのスズキバイオリンで修行していたみたい)さんという方が戦前に矢入楽器製作所を作って、息子の一夫さんがそれを継ぎ、そこで作られたギターがヤイリギターなんですけど、儀市さんには貞夫さんという弟がいて、その方も戦前にギター製作の会社を作っています。この時点ではどちらも矢入さんが作ったギターがあったわけなんでしょうが、どういう経緯があったのか、一夫さんがアメリカ修行を終えてヤイリギターを作り始め、K.ヤイリがブランドとして立ち、貞夫さんの会社で作ったギターがS.ヤイリ。その会社は息子の寛さんが継ぎますが、1982年(昭和57年)に倒産しています。それまでのフォークブームが去って、どのメーカーも苦しかった時代です。エレキギターは元気が良かったでしょうけど。しかし、2000年(平成12年)に某社のブランドとしてS.ヤイリが復活します。A.ヤイリというのはK.ヤイリの輸出用モデルのブランドです。Aというのは"Alvarez"のA。アルバレスと発音するようですが、特に意味は無さそうで、人の名前に見受けられます。別に由来はハッキリとしていないので、ゴンザレスでもザビエルでもよかったのかも(失礼)。

ということで、私が持っているのはS.ヤイリのギターです。このS.ヤイリ、かつては井上陽水の使用したYD-304という機種がありますが、まあ、井上陽水のけっこう初期のころに使用していたギターですから、これが有名になり、今でもけっこう中古には人気があります。しかし、井上陽水は数えるのもしんどくなるくらい色々なギターを使っていますので、YD-304が彼のお気に入りとはちょっと言い難い…。まあ、ギターのブランドは、どのスターが使っているかでその人気が決まりますけど、この000-45は000-28など、エリッククラプトンの「アンプラグド」で、いわゆる「トリプルO」として人気が急上昇しましたが、それまでは意外とこの「トリプルO(オーと読まれますが、正しくはゼロ)」はそれほどの人気もなく、コピーするメーカーも少なかったと思います。が、今やあちこちでコピーモデルが出ています。エリッククラプトンのおかげでしょう。ECというシグニチャーモデルが出ていますが、私はあまりそういうのは好きじゃない。

S.ヤイリ YO-45 で、私が000-45の数少ないコピーモデルS.ヤイリのYO-45を手に入れた理由ですが、まず、美しかった事(またかよ…)。S.ヤイリのこのシリーズを"Histric Series"として、矢入寛氏監修のもと、中国で生産しているようですが、この000-45だけは必ずしも中国での生産ではないようです。どうも国内で製作している(やっぱり古いお付き合いの寺田楽器かな…)可能性もあって、YO-42まではヘッド裏に"made in china"のシールが貼ってあるのですが、このYO-45にはそれが貼ってありません(でした)。それに、噂ですが、S.ヤイリは上位機種モデルのみ国内で制作している、とか。まあ、別に中華モデルでもいいんですけどね。インレイの技術なんかは向こうの方が上だし、その加工技術はあの国を経済大国まで押し上げたレベルにあると思っていますから。

このYO-45はマーチンの000-45のコピーモデルですが、000-45自体は戦前に百数本が製造されただけらしく、D-45と同じく、プレミアムギターです。コンディションの良いものなら数千万でコレクター同士で取引されるようです。億もあるとかの噂…。しかも、今のマーチンの職人たちは、イベント用に作った000-45モデルを45であるとは認めないそうです。区分上は間違いなく45なのですが、彼らは、お客様から発注を受けたカスタムモデルにしか45の称号を与えないそうです。職人の矜持というか、頑固なこだわりというか…。で、戦後に作られたものは比較的安い(でも、数百万)。そのオリジナルのモデルは見たことありませんが、学生のころあのカワセの店頭で、マーチンの復刻モデルである000-45を見たことがあります。もう、息が止まるほど美しいギターでした。お値段は100万か200万位だったと思います(いくらだろうがどうせ、貧乏学生には関係ない)。まさに高値、じゃなくて、高嶺の花、遥か太陽系圏外の存在。しかし、見るだけならタダですから、何度か店に通ってそのギターを眺めては溜息をついていました。私がこのギターをかき鳴らす日はこないだろうなあ、って。

ちなみに、その頃私の趣味としてギター店巡りというか、見学というものがありました。ギターは眺めていても「美しく」楽しいものです(変…?)。ですが、社会人になってそんな趣味もなくなりました(当然…?)。で、その000-45の存在をとっくに忘れてしまったオヤジになって、ある日、同じ職場(基本フリーランスの私は契約で潜り込んでいました)で年の近いオヤジギタリストが私に社内メールを送り付けてきました。添付の画像を開くと、そこにはかつてため息混じりに見つめていたあのマーチン000-45の姿が…。話を聞くと、友人から安く譲り受けたとか。その値段を聞くと、けっこう安い。多分、どこかにトラブルを抱えて要修理調整(当然オリジナルではない)の個体なのでしょうが、画像に写っているそのギターの美しさはかつての学生の頃の記憶を呼び起こしました。譲り受けた金額より高く買うから、俺によこせと迫りましたが、そりゃ無理ですわなあ。向こうも私に劣らずギター好き。初期のGold Top・レスポール(高い…)なんか持ってたりして。

S.ヤイリ YO-45 羨ましいというか妬ましいというか。で、忘れていた思いが蘇ってしまいました。「あれほど美しいギターは無い! 欲しい!」って。で、WEBでレプリカでもないかと調べてみると、在りました! しかもブランドはS.ヤイリ。実は私にとって、ヤイリと言えばS.ヤイリなんです。井上陽水の影響か…。しかも、本家のものにクリソツで、お値段は少々高いけど、カーチャンを温泉接待する程度で勘弁してもらえそうな価格(うちのカーチャンにとって私のギター好き、複数所有は???なのです。当然か…)。これは買わねば。000-45のコピーモデルなんてノーマークだったので知らなかった。で、購入したのがこのギターです。新古品レベルで結構グッドな状態。ちなみに、手にすると落ち着かないので、もっぱらハードケースの中でオネンネしています。いいんです、欲しかったんですから。手に入れて、とりあえず落ち着いています。そういうギターとの付き合い方もあるのです(無いか…?)。

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