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シグマ by Martin S00028EC


シグマギター バイマーティン シグマ(Sigma)はマーチンの廉価版ブランドで、マーチンの指導のもとに作られたってことで、"by martin"となっています。オーヴィㇽ(Orville)の"by Gibson"と同じです。で、この両ブランド、日本で製作され、両者とも寺田楽器が作っていました。シグマが日本で製作されていたのは1970年から1984年のようです。その後は韓国や台湾に生産拠点を移したようで、そこからは確か"by martin"が無くなって、ただの"Sigma Gitar"として製作販売されていたと思います。日本ではクロサワ楽器が販売していたかな。ただ、この"Sigma"ですが、そのような経緯の中で、日本の寺田楽器が作った"Sigma Gitar by martin"は今でも人気があるのですが、韓国や台湾で作られたものは人気もイマイチで、その間にはどうも「紛い物」が存在する可能性があります。楽器では家電製品や車のような厳格なライン上の規定というのが緩やかなのか、イレギュラー品ができることは珍しいことではないのですが(職人が作りますから)、中の焼き印の位置やトップのインレイの質感が違っていたり、トップ裏に入っている"Sigma Gitar by martin"ロゴや中のシールがあったりなかったり、ロゴがトップの表の方に入っていたりと、色々なバージョン(?)が存在します。明確に"made in korea"と記されているものもあります。

寺田楽器が製作していた時期のものを特定しようとすると、私の知っている範囲内では、まずトップのトーチインレイの質感(これがシールのようなものもあります)、トップ裏の"Sigma Gitar by martin"ロゴ、中のシールに”made in Japan"と記され、"by martin"のロゴが金色(ホットスタンプ)であること。この"by martin"のロゴが黒いものもありますがどう見ても安っぽい。後は素材が持っている木の質感です。これは、感覚に頼るしかないのですが、その感覚で結構分かる(?)のが「音」です。ギターの場合はやはりこれが一番のエビデンスでしょうか。寺田楽器で製作された国産ギターは他にも持っていますが、その音はハッキリと言ってマーチンとは違う「寺田楽器」の音です。あえて言葉で説明しろと言われれば、マーチンより音がでかく、高音での艶はマーチンらしさがあるのですが、全体の音としてギブソン的な「音の弾丸」的なところがあります。極めてアタックの立ち上がりが早くて強い。マーチンのような上品で控えめな感じが薄いです(ギブソン、失礼)。ハードケースがオリジナルだからと言って安心してはいけません。

シグマギター トップ そのサイド&バックは合板のようですが、個人的にはこの"Sigma"の音が好きです(知らぬ間に「寺田楽器サウンド」ファンになっているのかも…)。別に"by martin"ロゴに惹かれた訳でも(ちょっとは興味あったけど…)、機種名にあるEC(=エリッククラプトン)に惹かれた訳でもありません(どちらかというと、こういうシグニチャーモデルやアーティストモデルはちょっと…)。この"Sigma"はS.ヤイリのYO-45を手に入れた後、28も欲しいなってノリで中古で購入したものです。ブリッジの浮き(マーチンの持病もそっくり)、ネック裏の擦れ、擦り傷や打痕など当然ありましたが、その音には大満足。今では私のメインのギターになっています。ちなみに、このシグマには000-28の他に42や45もあるようです。しかし、そのギターもどこで作られていたものかの素性はよく分かりません。初期のシグマを手に入れられれば、けっこういい素材を使っているのでラッキーです。私のはギリ1970年代のものと推測できます。

ちなみに、WEBでこのシグマを「マーチンが買えないビンボー人のギター」という、知性のかけらもない言葉を見つけたので、軽く反論。まあ、そういう痩せた精神の持ち主はどこにでもかなりいるのだと思いますが、多分プリウォーのマーチンを数千万円で何本も買っているような方かも。そのような方から見たらシグマが「ビンボー人のマーチン」に見えるのでしょう。オーヴィㇽ(Orville "by Gibson")も同様に。しかし、マーチンを持っているからマーチンの音をすべて引き出せるわけではありません。ギターは「弾き手」によってその奏でる音が変わります。当然のことです。大事なのはその「音」です。正直「今更マーチンでもないし…」というのが私の想いですし、私のギターたち(特にモーリスW100)はマーチン並みの音を出してくれます(私が調子よく弾けたとき)。断言します。マーチンのD-28で寺田シグマより明らかに素晴らしい音が出せる方はプロ、もしくはトップアマクラスの人です。楽器店を回っているとマーチンを試奏している音を聞きます。確かに素晴らしい音を奏でるとは思いますが、それはどのようなギターであっても「曲」があっての話です。「マーチンが買えないビンボー人のギター」と発言される方は、高い確率でギターなど弾かれていないか、私よりも下手な人でしょう。ギターの演奏を楽しんでいる人には思えません。
シグマギター
シグマやオーヴィㇽが出てきた背景には関税の問題があります。当時は今よりも(正確な資料はありませんが)高い関税が輸入品にはかけられていたのです。その状況の中、日本のユーザーにギブソンやマーチンに準じる材料と設計で作られたギターを提供できる環境があったというのは、誠に僥倖なこと。日本のギターファンをどれだけ楽しませてくれたことかと思います。私のシグマは数人のオーナーを経て私のもとにやってきてくれました。そして、実に楽しい時間を過ごさせてくれています。私のカスタムギブソンはハードケースの中に入ったままになっています。豊かな心を養ってくれるギターに感謝して大事にしましょう。それを貶めるということは、自分も含め、人を根拠もなく貶めるということです。すいません、成り行きで説教臭い話になりました。今日も私はシグマのサウンドを堪能しています。

ちなみに、オーヴィㇽはギブソン創設者の名前ですが、シグマはマーチンの「M」を横にしたらギリシャ文字の「Σ(シグマ)」になるので、それで"Sigma"というブランド名になったそうです。

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